捕縛
振り向くと階段の壁から上半身を出したエルピオン達を連れ去った男が出てくる。
「壁をすり抜けてきた?!」
「残念違うよ…俺は暗闇を移動することが出来る能力を持った者さ。脱獄をしようと試みた君たち…今日は君たちが死ぬ番だよ」
彼は長い舌をエルピオンたちに見せると気を失ってしまう。意識の狭間でエルピオンはシュンサク達を思う。
◆❖◇◇❖◆
エルピオン達が捕らえられ、どうすることも出来なくなったシュンサク達は城下町を徘徊する。噴水のある公園で体を休め、エルピオン達をどうやって取り返すかと考える。
「どうする?エル達をどうやって取り返す?」
「どうやってって言われてもな…難しい話だよ」
頭を悩ませるシュンサクとウルファス。アーテルスは何かを思い出したかのように提案をする。
「なら夜まで待ってみないか?夜になればあいつが姿を見せるはずだからさ」
「あいつって?」
◆❖◇◇❖◆
シュンサク達は夜まで待ち、アーテルスが向かう場所に着いていく。
「お前、こんな路地裏を通ってどこに行くつもりだ?」
「あいつならあの場所にいるはずだ」
広い道に出ると、目がチカチカして来るような場所に出る。それは大人のお店と言える場所に着く。
「おい、俺たちはこんないかがわしいお店に行くつもりは無いぞ」
シュンサクはアーテルスを見ると彼は鼻を動かし、誰かの匂いを追う。
後を着いていくとTheいかがわしいお店の前で止まる。
「お前、誰の匂いを追ってるんだよ」
「前港町に俺の次に強い騎士が居るって話した…と言ってもシュンは知らないよな?」
「そうだな。俺は初耳だ」
「確かにそんな話したな」
「港町にそんな気配しなかったからこっちに移動したんだと思ったけど本当だった」
「そんな奴がここに居るってのか?」
「そうさ。ちょっと行ってくる」
アーテルスは店の中に入ると、タバコの匂いと香水に似た甘い匂いが混じり合い、気持ち悪くなる。しかしだからと言って出る訳には行かない。
「いらっしゃ〜い初めてだよね?」
美しい顔立ちの娘がアーテルスに近づく。
「悪いが探してる人が居るんだ。悪いね」
アーテルスは奥の座席に向かう。匂いが分からなくても気配で分かる。多くの女性に囲まれた男の前で止まる。
「おい」
アーテルスは声を掛けると彼は驚いてグラスを落としそうになる。
「なんで…ここに?」
「いいから来い!」
アーテルスは彼の手を引き連れ出す。
「ちょっと待ってよ!お勘定」
アーテルスはカバンの中から札束を取り出す。
「迷惑をかけて済まなかったな。君たちも魔女狩りに気をつけなさい」
アーテルスはうっとりするかのような綺麗な声で彼女たちに言い、店から出ていく。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
良かったら次回も読んでください




