まじない師
魔女狩りが起こったのは今から三ヶ月前、1種間ほど前からこの国の王女、アルテの高熱が引くことが無い。
「医師よ!アルテはどうしてしまったんだ?!もうこうなってから一週間になるぞ」
「薬はきちんと効いているはずなのに…なぜ熱が引かないのだ?」
国王と医者は言い合いをしていると兵士がやって来て、『国王と対談をしたいと申している人が居る』と伝え、国王を呼び出す。
国王は赴くと長いローブを見に纏った老婆が体を低くして国王を待っている。
「今私は忙しいのだが」
「私は王女の病気の原因を知っています…」
老婆は枯れた声で国王に伝える。老婆はまじない師だと答えるとこの国に住む魔女の仕業だと言い出す。国王はその言葉を信じてしまう。
そしてまじない師は三人の部下を連れてもう一度戻ってきてこの国に居座っている。
◆❖◇◇❖◆
「これが俺の知っている事だ」
「でもなんでヘルズが捕まるの?この国の騎士王だろ?」
「確かにそうだけど…俺たち国王に刃向かったって言ったよね?その罰としてここに居るの。魔女との関わりを持っているのかもしれないからってね」
「大変ですね」
「ねぇねぇ〜ルピたちの知り合いなの〜?」
「「あっ…」」
エルピオンとハルルカは思わず声が漏れる。きっとこの中で彼らを知らないのは彼女だけ。エルピオン達は慌てて彼らのことを説明する。
「へぇ〜なら強いひとなんだ!」
曇りが無い眼にヘルズはなんとも言えない状態に陥る。
「そうなったら急いででないと」
「すぐに出られたら誰も苦労しないよ」
「それならネーいい考えがあるよ」
ネールは二人の耳元でこしょこしょと話す。
「それいいかもしれないね」
「そうですね。きっと奴らはやって来ます」
エルピオン達はその作戦でこの場所からの脱出を試みる。
◆❖◇◇❖◆
少しだけ時間が過ぎり、エルピオンたちの前に兵士がやって来る。
「お前たちの尋問の時間だ。出ろ」
「私たちは魔女でもなんでもないんだけどな〜」
エルピオン達は素直に檻から出る。手には手錠を掛けられ、長い階段を登らされる。すると前から白い服を見に纏った女性が爪が少しだけ剥がされた状態で降りてくる。
「爪を剥がすまでに泣き叫びやがって…意気地無しめ」
「ごめ…ごめん…なさい…」
ポロポロ涙を零す少女にやり方が間違っていると断言出来る。
「ほら、行くぞ!」
エルピオン達を鎖で繋げたそれを兵士は引っ張る。そのタイミングでエルピオンは兵士に足蹴りをする。壁に叩きつけられた兵士はぐったりと倒れ込む。エルピオンは身を低くして兵士の腰から鍵を取り出す。
「あった!ルカ」
「もちろんよ」
ハルルカはエルピオンから鍵を預かり手錠を外す。その後にエルピオンがハルルカとネールの手錠を外す。
「ネーニャはすごいこと考えるね」
「でも正直ヒヤヒヤしました。上手くいって良かったです」
「それじゃあ下に居る人たちも助け出そう」
エルピオン達が下に降りようとすると背後から気配が感じる。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
後ろにいたのは誰なのか、あのまじない師は何者なのだろうか。次回までお楽しみに。




