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死者の砂

「それよりこの砂、なんだか変ですね」


「この砂、人の骨でできてるな」


「えっ?!」


「じ、人骨〜〜!!」


 ハルルカはエルスに飛びつく。エルスはなんだか迷惑そうな顔をする。


「ほら、これ人間の骨だろ?」


 シュンサクは白い欠片を拾いエルピオンたちに見せてくる。


「見せなくていいので置いておいて下さい!」


「そんなにビビらなくてもいいだろ?」


 そんな会話をしていると辺りが霧と化する。


「今度はなんだ!」


「敵の攻撃か?!」


 しかしエルピオンたちの予想は外れ、コロシアムのように広い空間ができ上がる。


「これってもしかして…」


「ただ俺たちは幻覚に捕らえられていたってことか?」


 辺りが開けると光る鏡を見つける。それはなんだかエルピオン達を誘っているようにも見える。


「もしかしてあれが!」


「出口だ!」


 エルピオン達は走ることはしないでゆっくりと近づく。光り輝いているが眩しい光では無い。


「これどうなっているんだろ?」


 エルピオンは手を突っ込むと鏡が水のように手が通り抜ける。


「こいつは鏡というより…」


「水だな。しかも鏡の枠に綺麗に埋め込まれた水。良ても興味深いな」


「感心している場合かよ」


 シュンサクは嬉しそうに笑顔になっているところをエルスはツッコミを入れる。


「あのさ〜、今手を入れたら風が来た」


「何?」


 エルピオンが呆然とした様子で口を零し、シュンサクは手を突っ込む。エルピオンの言う通り、風が手を掠める。


「これ、どこにつながっているのだろう?」


「行ってみるしかないよ」


 シュンサクは鏡の中に入る。それに続いてハルルカ、ネール、エルスが中に入る。エルピオンは空を見上げている。


「エル、どうかしたのか?」


「いや、この世界の人達には本当に感謝しかないなって思ってさ」


「俺たちが守り神の世界(こっち)に戻ってくることは無い。エル俺たちは前を進むしか方法は無い」


「そうだね。行こっか?」


「おう」


 エルピオンとアーテルスは鏡の中に入り込む。この世界での喜びや感謝を胸にエルピオンたちは現世に戻ることになった。


 ◆❖◇◇❖◆


 鏡の中に入ったエルピオン達は魔法式のエレベーターに乗って帰って行く。


「これなんなの?」


「これは魔法道具ですよ。こんなものが存在ていたのは初めてです」


 ハルルカはキョロキョロと移動している。いつも元気な声を出しているネールはなんだか元気の無い様子。


「ネーニャどうしたの?えらい落ち込んでいるようだが?」


「ネー、何も出来なかった。お兄ちゃんみたいに強くなろうとしたのに…みんなに迷惑をかけてばっかりだよ」


「ネーニャ、そんなことないよ」


「きっとそうだよ!あの偽マヌスでさえ、ネー怯えていたんだから」


 落ち込んだ様子を見せるネール。しかしシュンサクは励ますように声をかける。


「初めは誰だってそうだ。今の君を見ているとまだ戦闘慣れしていない。体が動かないのはそのせいだ。俺だって昔はそうだった。もしも怖ければ俺が相手になるよ」


「シュンさんと闘ったらネー死んじゃうよ!」


 シュンサクは大笑いする。その中でエルスは静かに隅っこに立っている。


「エルス、どうしたの?」


「エル、俺はやっと気づいた」


「何を?」


「お前らと居るべき存在は俺では無い。すまない」


 エルスは静かに言うと、魔法道具の上から飛び降りる。


「エルス!」


 エルピオンは見下ろすがエルスの姿が無い。


「リーダー、どうしちゃったんだろう?」


 一番動揺しているのはハルルカの方だった。


「どうせ向こうで会えるよ。おい、出るぞ」


 エルピオン達は顔を上げると白い光に包まれる。

今回で第四章完結です!我ながら自分を褒めたいです!

次回からはプロットを作ってから公開したいのでゆっくり更新していきます!

これからも応援よろしくお願いします!

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