双子
大穴からでてきたエルピオンとライガル。その姿にフェニックスは驚く。
「ーモウヤメヨウ!!ワタシタチガ殺シタイ者タチハ死ンダ!モウソレデイイダロウ!!ー」
大穴からでてきたライガルはもう一頭のライガルに訴える。
「ー黙れ!!お前に何が分かる?!神になったお前に、人間の俺の気持ちがわかるのか!ー」
カタコトで話すライガルは白光りの刺青。ずっと話さなかったライガルは黒光りの刺青がしてある。
二頭は争いを始める。噛み付いたり引っ掻き回したりといった攻撃。白光りのライガルが黒光りのライガルの首元に噛み付く。すると白光りのライガルの髪の毛の中からエルピオンが姿を見せる。剣には電磁波が見える。
「エル!」
「無事だったみたいだな」
姿が見えてエルスは胸を撫で下ろす。
「エル殿!頼ミマス!!」
「任せて!」
エルピオンはライガルの背中を走りもう一頭のライガルに剣を突き刺す。ライガルは叫ぶ。
「まさかあれは、帯電の剣か?」
「帯電の剣?なんだそれは?」
「昔にライガルと共に戦った一族がいた。それが…」
「火山龍」
静かに言うシュンサク。
「あの剣はその一族の長が持つことを許される剣。まあ私はそれを頂いてきただけだがな」
「そうなのか…」
二人は話を終える。帯電の剣がライガルを苦しめる。剣を抜くと黒光りのライガルが人の姿になる。白光りのライガルも同じように人の姿になる。
「もう終わりにしよう。ワタシたちを苦しめた者はもう居ないんだ」
「お前に何がわかるんだ!」
手を差し出すライガルの手を払い除ける。
「お前はいいよな。あいつらにちやほやされてさ…俺の気持ちなんて分からないだろう」
「確かにワタシには分からないよ。だけどこれ以上関係の無い人たちを巻き込みたくない」
「お前、善人ぽいこと言ってるけど本音ではどうなんだよ」
黒光りのライガルは苦笑いで聞く。白光りのライガルは一瞬キョトンとしたが不気味な笑顔を作る。
「そんなのこの世界に生きる人間を感電死させてやりたいぐらい憎いよ」
「だと思った」
「あんた、良いそうに見えて本当は悪いやつなのか?」
「これはただの本音ですよ」
「俺、お前のそういうところ好きだよ」
「褒めてくれてるの?ありがとう」
にこにこしている白光りのライガルに黒光りのライガルはくすくす笑う。
「やはり双子なんだな」
「フェニックス様、お騒がせ致しました」
人の姿なったフェニックスに白光りのライガルは頭を下げる。
「それより気になるのはお前たちのことだな」
フェニックスはライガルたちに言う。
「自分たちですか?」
「そうだ。お前たち、どうして神の力が二人に行き渡ったんだ?」
「それは…自分がお願いしたのです。彼も同じように神にしてくれっと」
「お前自身が言ったのかよ」
「変でしょうか?」
「いや、そこまで気にしてない」
「ふふふ、そうですか。それよりエルさん、あなたのその剣って、火山龍の一族が持っていた剣ですよね?」
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