雷の神殿
怒った姿を見せるとハルルカ防護壁を張る。
「少しの間なら落雷を防げます!」
ハルルカは不満そうに言うと、落雷が防護壁を攻撃する。しかし自分たちに当たることが無い。そして雲の中を龍が通った影が映る。
「今のって…」
「ライガルだろうな。てか龍かよ」
「あの巨体、私たちなんて丸呑みだね」
ネールは少し顔色が悪くなる。
「お前、顔色悪いぞ?休んでいた方がいいじゃないのか?」
「少し、頭が痛いだけ…」
「高山病の症状だね。そこまで高くないけど酸素濃度が低くなってるかも」
「これ以上登るのはネールは苦しいね」
ハルルカは考えていると、アーテルスが岩の壁を見つめていると、突然殴り破壊する。
「ここにネールを置け。落雷を防げる」
空洞になったその場所にエルスは置いていく。
「ライガルの暴走を停めたら迎えに来るから」
「ルピ、ネーも元気になったらすぐに行くから」
弱々しく言うネールをエルピオンは頭を撫でる。
「急ごう!」
エルピオン達はネールを置いて上に進む。頂上に到着すると、落雷が止まない集落が現れる。
「これってあの時の写真の現場だね」
エルピオンは地面に落ちている肉片を見つめる。形からして人の手のように見える。一瞬だけ、幼い頃のトラウマが横切る。燃え盛る家々、死んでいく人々。
「エル、大丈夫か?」
エルスの問いかけにエルピオンは我に返る。
「うん、大丈夫」
集落の先にあの屋敷が見える。エルスが進むと悲鳴に似た鳴き声が響き渡る。
空を見上げるとライガルがエルピオンたち目掛けて飛び込んでくる。まるで入るなと言わんばかりに。
「危ないな!」
「あんなにずっと飛ばれていては攻撃できません!」
「なら叩き落とすのみ」
アーテルスは重力魔法でライガルを地面に叩き落とす。地面に叩きつけられた衝撃で砂埃が立ち上る。しかし雷が止むことはない。逆に激しくなる。このままではエルピオン達が感電で焦げてしまう。
「上手く避けないと麻痺してしまいます!」
「落とさない方が良かったようだな…」
「ー炎の宴ーⅡ!」
炎のボールを無数に生み出しライガルにぶつける。しかし効いている様子が無い。
今までの神様が弱く感じてくる。そんなことを考えていると背びれが光り出す。そして光線を吐き出す。エルピオン達は物陰に隠れる。今まで見た事のないほどの威力で地面が抉れてしまっている。
恐怖で唖然としているがそんな余裕ライガルが与えてくれるはずがない。
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