神殿
元気を取り戻したカシューはハルルカとネールとサツキと共に散歩がてら街を見てくると言い、四人で出ていった。
エルはシュンサクに呼ばれ、二人で話をする。
「エル、お前たちはもうひとつの守り神のところに行け」
「えっ?なんで?」
「お前ではケルピー戦は不利になる」
「そうかもしれないけど、エルス達を連れて行かないの?」
「ケルピーのことは私に任せなさい」
「あんた一人で十分ってことか?」
「ただ単にあそこに魔族が入れば危険になるっと言うことだ。無駄な体力を使いたくない」
「その方がいいじゃないか?あんたの方が俺たちより強いんだし。あんたがケルピーを解放している間に俺たちがもうひとつの…空だったか?その守り神を解放出来れば上手くいくはずさ」
「上手く行けばこの世界から出られる上にマヌスを倒せるってことだね!」
わくわくしているエルピオンにシュンサクは頷く。
「そういうことだ。明日の朝にでも出発しな。私は湖に行ってから向かう」
「師匠はいつ出発するの?」
「え〜っと予定では今晩中だ。お前たちがもう少し待ってくれって言うなら同じ時刻でも良いぞ?」
「その方がいいわよ」
「モーデルさん。どういうことでしょうか?」
「夜は湖の近くに凶暴な大蛇が出てくるのよ。日が登ればいなくなるのよ。だから朝の方がいいよ。無駄な体力、使いたくないでしょ?」
「確かにそうですね。なら明日にします」
「ただいま戻りました!」
嬉しそうな声で扉を開けるサツキ。その手にはクレープが握られている。
「久しぶりに大通りに出たらクレープ屋さんがあり、思わず買ってしまいましたよ」
嬉しそうにサツキはクレープを口に運ぶ。その後ろにネールとハルルカ、カシューがクレープを食べながら入ってくる。
「久しぶりの散歩は楽しかったかい?」
「もちろんです!いいリハビリになりましたよ」
「リハビリって足を怪我されていたのですか?」
「そうだね。私、雷電の守り神ーライガルーの攻撃が当たっちゃってね、上手く動かなくなっちゃってたの」
「感電したということですか?」
「そういうことだね」
「でも、なんで攻撃したんだろう?」
「それが分からないのよ。あの神殿の近くにも行っていないのに。突然攻撃されたのよ。だから神殿の近くに住んでいる一族に伝えに行ってもらったのよ」
「誰にですか?」
「私の知人よ。そしたらその一族が全滅していたのよ。一人残らずね」
静かに言うサツキに全員が息を飲む。
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