野宿
イノシシと鹿の解体を終わらせて焚き火を使って焼いて行く。その間にハルルカは魔法のテントを張る。
「ルカちゃん、これなに?」
「魔法のテントです。中に入れば分かりますよ」
ハルルカは自信満々に言うと、ネールは中に入る。中はテントではなく、一軒家に来たかのような開放感。
「ルカちゃん!これなに?!」
「だから言いましたでしょう?魔法のテントだって」
「なんだよ騒いで」
アーテルスは中に入ると少し驚いていたが、ハルルカを褒め称える。
「すごいもの持ってんだな」
「私の学校で貰ったのです。もしもの為にと」
「そうなのか。いいもの持ってたんだな」
アーテルスは嬉しそうに微笑む。
「おーい!肉焼けたよ」
エルピオンの嬉しそうな声に全員が反応する。彼らはエルピオンの元に行き、鹿肉と猪肉を貰う。
「このイノシシの肉、臭みがほとんど無いな」
「捌き方があるんだ。エルスだって知ってるだろ?」
「もちろんだ」
エルスはほぼ喋らず、肉を頬張る。
「俺は先にテントに入る。ルカ、風呂とかはあるのか?」
「うんあるよ。でも水が無いと湧かせないけどね」
「それなら大丈夫だ。ありがとうな」
エルスは微笑んで先にテントに向かう。
「あいつっていつもあんな感じなのか?」
エルピオンはハルルカに訊く。
「う〜ん、昔はあんなんじゃなかったよ。仲間思いで最後までみんなと一緒にいる人だったよ」
いつから変わってしまったのだろうかと思うハルルカ。
◆❖◇◇❖◆
シャワーを浴びるエルスは肩に強烈な痛みに苦しむ。それはあの黒い物体を消し飛ばした時、肩にかかったもの。それは生き物のように鼓動をする。
「これが、あのフェニックスを苦しめていた物かよ…意外と辛いな」
エルスはそれと目が合う。目玉はエルスのことをじっと見つめる。
「俺の寿命を持っていってるのかよ?お前は」
それは答えることはしないが、なぜだかエルスを嘲笑っているように見える。
エルスは風呂場を後にして寝室を探す。ハルルカが用意してくれたのだろう、自分らの名前が書いてある部屋を探す。
「ここか、ルカありがとうな」
そばに居るはずのない人間に礼を言い、中に入る。下でエルピオンたちの声が聞こえる。エルスは下に降りことはしないで静かにその声を聞く。
肩に痛みはあるが、眠ることにする。
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