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魔道士ーハルルカー

お願いします!

 エルピオンはアンナから逃げ惑う。胸が苦しくって、服を鷲掴みにする。エルピオンは後ろ目でアンナの胸を見る。彼女の胸は赤く染まっている。彼女は心臓をひと突きに貫通して死んだのだろう。

 この光景は、リオン国で姉と逃げている時を思い出す。


 ◆❖◇◇❖◆


 当時の私たちは無力な存在。逃げ惑うしか出来ない。そんな時に、胸に風穴が空いた兄と遭遇した。


「お姉ちゃん!待って!お兄ちゃんを置いて行くの?!」


「あれはもうお兄ちゃんでも何でもないよ!ただの化け物だ!エル!早く逃げるよ!」


 姉は必死にエルピオンの手を引っ張る。しかし、前から怪物が現れ、行く手を阻まれる。姉は小さな穴に、エルピオンを押し入れる。


「お姉ちゃん!!」


 エルピオンは姉を呼んだが、姉は涙を零しながらエルピオンに「生きて…」と言う。そして、姉は奴らは餌食となった。


 ◆❖◇◇❖◆


 エルピオンにとってこのことは一番のトラウマだ。だが、今はもう無力な存在じゃない。

 エルピオンは出入口近くの広い部屋に出る。外からは砂漠豚の鳴き声が聞こえる。

 だが、構っている暇は無い。今はアンナ、前の敵に集中す

る。エルピオンは大きく息を吐く。アンナには悪いが、ここ

で斬るしかない。エルピオンの持つ剣がカタカタ震える。

 あんなに優しかったアンナを、こんな化け物にする奴らが許せない。エルピオンは怒りの炎を上げる。

 血だらけになったアンナはエルピオンに剣を振るう。エルピオンは体を捻り、アンナに剣を振るう。だが、途中でアンナの笑顔が脳裏に映る。エルピオンはアンナの肩を掠めるだけで終わる。


「やっぱりダメだな。お前を殺せないや」


 悲しそうにエルピオンはアンナに話す。アンナは何も答えないが、アンナ自身もエルピオンを殺すのは嫌なはず。


「ごめんな」


 エルピオンはそれだけをアンナに向ける。


「闇の使者よ。影の元へ帰るがいい。太陽の光(シャイン・ライト)!!」


 強烈な光が大地を光に染める。


「何?!」


 エルピオンは思わず目を瞑る。眩しさが消え、辺りは静まり返る。出入口で砂漠豚の鳴き声が聞こえない。アンナは力無くしてその場で倒れ込んでいた。


「貴女、大丈夫?」


 扉を開けて、姿を現す。魔法帽子を被り、幼さがまだ残っている。


「大丈夫よ。貴女は誰?私はエルピオン・ガーネルス。エル

と呼んで」


「私はハルルカ・ハルケネ、魔道士よ」


 彼女はニコッと笑う。


 ◆❖◇◇❖◆


「エル、今行く所がないなら一緒に行きましょ」


 ハルルカはエルピオンに誘う。


「少し待ってくれるなら、一緒に行くけど…」


 エルピオンはアンナを見る。ハルルカは察したかのように、「なら待ってるわ」とだけ言って外に出る。


 エルピオンはアンナを抱き抱えて外に出る。そして、小さな小屋に向かう。中では血だらけになった馬が倒れている。腹の部分だけ骨になっていたので、食われたのだと目を伏せ

る。目線の先に、(くわ)があるのを目にして、エルピオンはそれを手にして地面を掘る。3つ穴を掘ると、真ん中に寝かせる。ハルルカは静かにそれを見ていた。

 エルピオンはアンナと会った寝室に向かう。そこには誰なのか分からないほどズタズタにされた人が寝そべっていた。

 エルピオンは下唇を噛み締めて、2体の体を外に持って行

く。もう少し自分が早ければ、アンナもこの老夫婦も死なず

にすんだかもしれないのに。

 エルピオンは三人を土に埋め、埋葬する。


「他の人たちは?」


 エルピオンはハルルカに訊く。ハルルカは驚いたような動作をする。


「何を言うの?ここには()()()()しか居ないわ」


 エルピオンは目を見開き驚く。


「そんな馬鹿な!まさか逃げたのか?」


 考え込むエルピオンに冷めた口調でハルルカは話す。


「きっとずっと前に死んだのか、出でったのよ。きっとこの

人たちはそれを知られたくなかったのよ。貴女のような優し

い人にね」


 エルピオンは静かに彼らを見る。だからあの時、顔を顰めたのか。とエルピオンは解釈する。


「さぁ、夜明けよ。行きましょう?エル」


「ええ」


 二人は次の街に向かって歩き始める。


 ◆❖◇◇❖◆


 日が昇りきり、二人は道を歩く。


「もう少ししたらある国の城下町に着くよ。そこには私の知

ってる宿屋があるから」


「なら急ごう」


 エルピオンは走り出す。突然に走り出すエルピオンに驚い

てハルルカは慌てる。


「待ってよ!エルー!」


 二人は一目散に平原を駆け抜けて行く。次の場所では何が

起こるのであろう。

ここまで読んでくれてありがとうございます!

新たに新キャラ登場です。ルカちゃんのこと、よろしくお願いいたします!

次回もお楽しみに!

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