解放の宴
遅くなりましたがあけましておめでとうございます!
本年もよろしくお願いします
エルピオンが気がついた時には空は暗く、喜びの声が響いていた。
「気が付かれたようだな。乙女よ」
ゆっくり近づいてくる青年にエルピオンは警戒をする。
「貴方、誰?クールン族じゃないね」
「左様です。自分はマグマの守り神、フェニックスです」
「はい?」
エルピオンは顔を歪ませる。
「実を言うと、自分は人間になれる特性を持っているので人間の姿になることができます。では改めまして、自分を助けて下さり、ありがとうございます」
フェニックスは深々と頭を下げてくる。
「私はなにもできていませんよ。何も…」
エルピオンは自分に掛けられた布を強く握りしめる。
「それよりこれって?」
エルピオンはそれを持ち上げる。白くて綺麗な上着のようなもの。
「それは確か狐お面をつけた魍魎がかけていたぞ」
エルピオンは起き上がり、洞窟から出る。
「無理をしなさんな。お前さんは自分の炎の瘴気に当たってる。普通の人間なら死んでいるレベルの量だ」
エルピオンはその話を聞かず、シュンサクを探す。クールン族はエルピオンの姿を見ると大喜びで近づいてくる。
「お前ら!我らの救世主のエルピオン様が起きたぞ!」
一人が叫ぶの全員が大喜びをする。
「エル様!ありがとう!」
一人のクールン族がエルピオンを抱き上げる。その群衆を掻き分けるようにクレアがやってくる。
「エルさん。起きたんですね」
「クレア、師匠…いやシュンはどこに?」
「シュン様たちならこちらです。着いてきてください」
クレアはエルピオンの手を引いて群衆から抜き出す。エルピオンはシュンサクの上着をしっかり握りしめて小走りする。
◆❖◇◇❖◆
少し離れたところでシュンサク達は宴を楽しんでいた。エルピオンを連れてきたクレアは嬉しそうに笑う。
「シュン様、エルさんが起きましたよ」
「エル、気がついたようだな。良かったよ」
ハイネックノースリーブを着ているシュンサクにエルピオンは目を細める。
「師匠の上着の下ってそうなってたんだね」
「こいつらにも同じこと言われたぞ」
普通に話すシュンサクにエルピオンは真顔になる。
「お前も立ってないで座りな。腹減ったろう?」
シュンサクは串に刺さった肉をエルピオンに渡す。エルピオンはそれを受け取り、口に運ぶ。肉の美味しさに笑顔がこぼれる。クレアは嬉しそうにその様子を見ている。
「まだまだありますので食べてください。今日はお祝いです」
全員は宴を楽しんだ。クールン族であろうとも、人間のように楽しみ、その宴は朝まで続いたのだった。
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