助けたい思い
エルピオンの元へハルルカ達は飛ぶ。
「エル!」
ハルルカが声を出すと、それに反応したのかフェニックスが向かってくる。
ハルルカはすぐに呪文を唱える。
「ー水の激流ー!」
フェニックスはそれを壁を作って阻止する。フェニックスはエルピオンたちのギリギリを飛ぶ。風圧で飛ばされるネールをアーテルスがキャッチする。
「大丈夫か?」
「うん、ありがとう」
フェニックスはもう一度攻撃の態勢に入る。
「もう一回来るぞ!」
「師匠!私フェニックスを落ち着かせるよ!」
「さっきのあれをもう一度やるって言うのか?!無茶だ!」
「やるだけやってみる!無理だったらまた考えてればいいよ!」
エルピオンは笑ってフェニックスを見つめる。エルピオンは覚悟を決める。
フェニックスが突進してきたのを見てエルピオンは羽の炎の力を弱める。そしてエルピオンは上手いことフェニックスの上に乗り込む。熱い炎に体が焼けそうになる。
「熱!焼けそう…」
顔を顰めていると冷たい雪のような者がかかる。
「これは…雪?」
こんな暑い地域に雪なんて振るはずがない。エルピオンはハルルカを見る。彼女は魔法を発動しており、雪を降らせた模様。
「ルカ!ありがとう」
エルは手を振って答える。
「あのバカは何手を振ってるんだ?」
顔を引き攣らせるアーテルス。
「そういえばシュンさん。エルスは?」
「朝から見かけてませんね。どうしたのでしょう?」
「あいつなら地上で様子を伺ってるよ。と言っても、俺の合図を待ってるだけなんだかな」
シュンサクは地上を見て、エルスと目を合わせる。
「あいつ、俺を働かせない気だな?」
エルスは空中飛行するフェニックスを見つめる。業火の炎に身を包み、優雅に浮遊する。時々火の粉が地上に落ちてくる。それに手を触れると粉雪のように消える。
「早く働かせてくれよ?シュンよ」
不敵に笑うエルス。
エルピオンはフェニックスに剣を突き刺す。しかし痛みで泣き叫ぶことをしない。効いていないのかも知れない。
「もう一回!」
もう一度突き刺すが、感触がない。
「ルピ、どうしたんだろう?」
「攻撃が効いていないんだろう。そろそろ合図をするか」
シュンサクは赤い瓶をセットして深淵弾を空に向かって撃つ。
それを見たエルスは不敵に大きく笑う。そしてエルスも同じように赤の深淵弾を撃ち込む。
「シュン、それはなんだ?」
「この深淵弾のことか?」
「そうだが、なんでそれを撃ったんだ?」
「エルスに知らせようと思ってな」
「エルスさんにですか?」
「あいつなら上手くやってくれるからな?」
嫌味ったらしく言うシュンサク。三人にはなんのことなのか分からない。
すると突然フェニックスが叫ぶ声を上げる。その姿にシュンサクくすくす笑う。
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