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フェニックスの呪縛

 クレアを先頭にして人工で生み出されたトンネルを走る。


「もう少しでフェニックス様の住処です!気を付けてください!」


「案内ありがとうございます!これよりは危険なのでお下がりください!」


「ご武運をお祈りしております!」


 クレアはエルピオン達を見送る。彼女は一人で手を組んで祈りをする。


 ◆❖◇◇❖◆


 エルピオン達はトンネルを抜けると、巨大な赤い怪鳥が眠っている。尾羽には黄色い触覚が伸びている。


「よく眠っているみたいだね。どうするの、師匠?」


「まずはやつの様子を見ないとな…と思ったがなんだか様子がおかしい」


 シュンサクがフェニックスを見るとフェニックスは体を起こす。そして遠吠えをする。


「=そこにいるのは誰だ!姿を見せよ!=」


 フェニックスはエルピオンたちがいる場所を見る。シュンサクは立ち上がる。


「フェニックス!お前はこの集落を恐怖で貶める気か?!そうではないだろ?!炎の守り神、フェニックスよ!」


「=黙れ!!お前に何がわかる?!私の苦しみを…!!=」


 フェニックスは吠え出し、羽を広げる。立つことのできない突風にエルピオン達は突き飛ばされそうになる。エルピオンは地面にしがみつく。


「ああ!確かにお前の苦しみは分からない!だが!ここに住むクールン族はお前の行う苦しみに耐えられなくなっている!同じ苦しみを与えるのではない!」


「=黙れ黙れ!貴様のような者の言葉など聞こえぬ!この私自らお前らを葬ってやる!=」


 フェニックスは飛び上がり、エルピオン達の場所が砂嵐になる。全員が目を瞑る。フェニックスは自分が行っていることが正しいと思っているのだろうか。


「空に飛ばれたら追いかけれないぞ!」


「でも、あれはフェニックスの本心なのでしょうか?」


「違うよ…フェニックス、苦しんでる」


 空を見上げるエルピオン達にネールはそっと言う。


「ネーわかるんだ。動物の本心…。あのフェニックスから聞こえてきたの。『助けて、苦しい…この呪縛を解いておくれ』って」


「ネールちゃん。君も成長したようだね」


「うん!」


 シュンサクが褒めるとネールは嬉しそうに笑う。


「それじゃああいつを闇の呪縛から解放してあげようじゃないか!エル、手伝え!」


「もちろんだよ師匠!!」


 エルピオンとシュンサクは炎の力を操り、空に飛び出す。上空に上がった二人はフェニックスを追いかける。エルピオンはフェニックスの背中に乗り、攻撃を始める。炎技はそこまで効かないかもしれないがやるだけやる。


「フェニックス!絶対に助けてやるからな!」


 エルピオンは強くフェニックスを叩く。

ここまで読んで下さりありがとうございます!

次回もお楽しみに!

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