囚われたエルピオン達
奴らの誘導に従ったエルピオン達は、牢屋に入れられることになった。エルピオンとハルルカ、ネールは女だからという判断で鍵のかかった鉄製の檻の中に閉じ込められた。拘束道具なしと言う状態。アーテルスとエルスは拘束具をつけられてエルピオン達とは別の場所。シュンサクは一人厳重な拘束具で高い塔の上から落とされる。シュンサクは受け身の体勢をとり、何とか怪我をしないで地面に到着する。
「貴様はそこに居ろ!もう少ししたら拷問官が来るからな」
奴らははははっと笑い扉を閉める。
「さてと、どうするかな?」
上を見上げると、先程落とされた扉に木製の窓が開いている。出来るとすればあそこから出られる。
「いい所あるじゃないかよ。ではまず…」
シュンサクは自身に取り付けられている拘束具を見る。
「こんなんで私を拘束できていると思われていると嘗められた感じになるな」
シュンサクは力を入れて勢いよく拘束具を破壊する。彼は右手に透明なゴムのような物を纏わせて窓に勢い良くくっつける。クローショットの応用みたいな物だ。
窓の大きさはシュンサクがしゃがんで居られるほど高さ。これ以上頭を出したらバレてしまう。シュンサクは目を閉じ、エルピオンたちの居場所を探る。
エルピオン達はこの塔から近い檻の中に居るよう。アーテルス達は少し離れた地下に居るよう。
「なら始めはエル達からだな」
シュンサクは窓を折り返し地点としている電線を見つめる。
「ーあれを使いながらだったら感電しないよな?ー」
シュンサクは不気味な笑顔を作り、電線の上に乗る。電線からは電流がシュンサクに当たるが、彼自身も電気を発している。シュンサクは雷属性を持つ者。こんなんで感電するはずが無い。それに周りは気づいていない。そして電線の先にある建物を目指す。あの下にエルピオン達の電磁波が見える。
走り出したシュンサクはまさに光の速さ。誰にも見つからない。そして電線を途中で降りて地下に続く階段を下りていく。
◆❖◇◇❖◆
閉じ込められたエルピオン達は檻の外を見つめる。
「ネーたち、どうなっちゃうんだろう…?」
「ネーニャ大丈夫だよ。師匠が必ず助けに来てくれるから」
「そうは言っても出ることができなければ意味がありません。魔法封じの拘束具を着けられては手も足も出ません」
「私の師匠が大人しく捕まってるわけないじゃん」
自信満々に言うエルピオン。
「確かにお前の言う通りだな」
檻の前にシュンサクが現れる。
「本当に来た…」
「エル、鍵はどこにある?」
「鍵は奴らが持ってる!」
エルピオンがそう言った瞬間、シュンサクの後ろにクールン族が上から降りてくる。
「師匠!後ろ!」
エルピオンが叫ぶと大太刀を振り回すクールン族の攻撃が檻に当たる。シュンサクはすぐさまクールン族の横腹に膝蹴りを食らわせる。
だがその攻撃はやつの急所に至らないようだ。
「何?!効いてないだと?!」
クールン族はシュンサクを勢い良く蹴り飛ばす。その勢いでシュンサクは天井に叩きつけられる。
「師匠!!」
「だ、大丈…夫だ…!エル、お前の剣を寄越せ!」
エルピオンは腰に着けた剣をシュンサクに投げ渡す。彼は血を唾と一緒に吐いて、剣をクールン族に向ける。
「さっさと勝負しようかよ!」
ここまで読んで下さりありがとうございます!
今回は早く仕上げれたので良かったら読んでください!




