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修行の一つ

かなり遅くなりましたが、楽しんでみてください

 感動していると、シュンサクの姿とエルピオンの姿が無くなる。暗くなって来ているのでハルルカが探していると、二人は川にいる。二人は釣りをしているようだ。

 声を掛けようと近づこうとすると、二人の気配が一瞬途切れる。変な気配をさせるエルピオン達にハルルカは脚を止める。二人の肩には小鳥が止まり、警戒心を無くした動物たちが二人の周りを彷徨く。まるで二人を『木』だと思っているかのように。

 そして突如エルピオンが立ち上がり大きな魚を釣り上げる。続いてシュンサクが釣り上げる。エルピオンより少し大きい。


「嘘!師匠の方が大きい!」


「もう少し気配を無くさなければ行けないよ」


 はははと笑うシュンサク。


「エル、シュンさん」


「あれ?ルカ。居たのか?」


「ええ、二人が居なくなったから心配になってね」


「それはきみの()()かい?」


「それは、どういう意味でしょうか?」


「そのままの意味だよ。それで?答えはどうなんだい?」


「ほ、本心ですよ」


 ハルルカは焦りを混じえた答えをする。


「そうかい」


 シュンサクはたった一言を呟いた。どのようなつもりで聞いたのか聞きたかったが、話が長くなりそうだったからやめた。


「エル、急にどこかに行かないでよ。心配するじゃない」


「ごめんね。師匠が『魚を釣りに行く』って言ったからさ。ついて行っただけでね」


「でも誰かに言ってから向かってよね」


 少し文句があり気に言う。


「それより今日はお魚パーティーだよ!沢山釣れたんだ!」


「沢山って…!」


 エルピオンが見る方向を見ると、たくさんの魚が釣り上げられており、既に息を引き取った魚が散らばっている。


「こんなに沢山…!二人で釣ったの?!」


「そうだよ」


「そうだね」


 二人は頷いて言う。エルピオンはそれがどうしたの?という顔をする。彼女らからしては普通なのかもしれないが、ハルルカからしては普通では無い。このような大物、二、三匹釣れるのでやっと。それなのに二人は大物をたくさん釣り上げている。


「お前ら〜居るか〜?ってうわ!なんだぁ?この魚の数」


 茂みからアーテルスが姿を現す。


「テル!今日はお魚パーティーをするよ!火を炊いてくれ!」


 嬉しそうにニコニコするエルピオン。月明かりに照らされて鮮やかになっている。笑顔を見せるエルピオンの顔が幼い少女のように見える。


「そうだな。ルカ、手伝ってくれるかい?」


「ええ、もちろんよ」


 ハルルカはアーテルスの元に向かう。


「師匠、私上手くできてる?」


 目じりを下げて、俯いた状態でシュンサクに聞く。


「前より出来なくなっているな。何かあったか?」


「…。仲間が死んだ…。私が弱かったから」


 エルピオンは悔しさから身を縮こませる。


「ならば強くなれ。昔教えたはずだ」


「強くなろうとしたよ。でもダメだった。弱さが自分の足にへばりついて動けないんだ。師匠!お願い、もう一度私に稽古をつけて!一からやり直したいんだ!」


「いいぞ。だがまずは腹ごしらえだ。稽古はそれからだ」


 シュンサクから許可を貰えたエルピオンは嬉しさで落ち着きを取り戻す。

 エルピオンの様子を見て、今回はもう少し厳しくしていかなければならないと思うのであった。

ここまで読んで下さりありがとうございます。

現実の方で忙しくなってしまっていて、遅くなりました。良かったら次回も読んでください。

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