別世界のような景色
強烈な力にラルカの近くにいた全ての人は吹き飛ばされてしまう。みんなが気がつき起きたのは太陽が昇る時間だった。しかし正確な時間はわからないため、何時間眠っていたのかは誰もわからない。
「みんな〜居る????」
「てかここどこなの〜」
アルタとアイルは目を覚ますと大量に草木が生え、辺りが草原のようになっている。崩れた瓦礫からは苔のような草が伸びている。
「ここって、本当にさっきまでいた場所なの?」
「たぶんそうだよアルタ…」
空を見上げると雲一つもない快晴が広がっている。その瞬間黒い翼を持った人が空を通り過ぎる。
「あ、ソラくん!」
「アルタちゃん!!!」
上空から降りてくるソラはホッと安心した顔をしている。その後にゾロゾロと魔族の人たちがやってくる。一緒にいたはずの彼らはかなり離れた場所に移動していた。
「ルカちゃんは⁈」
「後から来るよ」
ソラは遠くを見つめるとハルルカとナルネス、アーテルスがやって来る。だが、負傷したはずの彼らの姿が無い。アルタは少しばかり不安になる。
「ねぇ、サルトさんたちは…」
「ここにいるよ」
瓦礫を跨いでやってくるサルト、アイグ、アスラ、アイアは怪我をしたことを忘れているかのように軽やかにアルタたちの元へやってくる。
「あれ?みんな元気そうだね」
「そうなんだよね、気がついた時にもう傷が無かったんだよね」
「不思議だよね〜」
「そうだと考えると、こいつはわんちゃんの神力で復活したものかもな」
瓦礫の山の上からガルボはアルタたちに言う。いつからいたのかがわからないが、元気そうな様子になっている。すると上空からヘルガの姿がやってくる。
「テルさ〜ん!!!!!」
「ヘルガ…!!!!お前死んだんじゃ…!!!!」
全員が身構えるとヘルガは敵意がないように手を上げてる。
「みんな怖いです!!!俺は本物です!本人です!!!証拠にテルさんぬいぐるみが無いと寝られないじゃ無いですか!!!!」
「そんな嘘、よく思いつくね…」
アルタは冷めた目でヘルガを見る。ハルルカはアーテルスを見ると顔を真っ赤にしている。どうやら本物らしい。その瞬間ソラ大笑いして地面に転がる。
「テル…!!!おま…げホッ!!!ははははは!!!ぬい…ぬい…ぐる!!!もうだめだ!!!笑いが…!!ツボった!!!!!!!!!」
「ソラ様!!そんなに笑わないでください!!!」
「そうだぞ…ぐふッ!笑って…クククッ…!やる…な……!」
サタンは笑わないように耐えながら話すが、アーテルスからすぐに目を逸らす。
「もう…好きに笑ってください…」
落ち込むアーテルスにハルルカは背中をヨシヨシする。
「でも、わんちゃんもそうだね。何かないと熟睡しないからね」
「そうなんですか?」
アルタはわんちゃんの話をするとハルルカは聞き返す。アルタは素直に頷くとハルルカはわんちゃんが何を持って寝ているのかが気になる。
「ねぇ、アルタ。今ここにいる人たち元気だからさ、みんなのこと探そうよ」
「そうなると、目印がいるよね…」
アルタはガルボを見つめる。その瞬間全員の目線がガルボに行く。ガルボは嫌そうな顔をする。
「はーっ、はいはい!ここにいればいいんだろ⁈だるいけど」
「よろしくね」
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