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破壊のバーストインパクト

 わんちゃんの言葉にエルピオンは大きく頷く。今ラルカを倒せなければ後が無い。


「やれるだけやりましょう。その間、みんなに時間を…!」


 二人は話していると魔人から嫌な気配を感じる。それはわんちゃんに向けられていると直感で理解する。頭で考えるより早く体が動く。突然抱き抱えられるわんちゃんはエルピオンを見つめる。蔓のように襲いかかる魔人の腕を華麗に避けていく。


「お前…どこから攻撃が来るのかが、わかるのか?」


「そんなの…!わかんないです!!直感です!!!」


「直感…か」


 地面に降りると魔人の全ての腕はわんちゃんとエルピオンを捕らえに来る。避けたとしても意味が無い。だが魔人の腕をリュウドラ、ゼルネアス、ジームが全て切断をする。


「これ以上、仲間は失いたくないんだよ…!!!」


「同感だ!」


 ジームは瞳に青い炎が宿ると魔人の体が青い炎で燃え上がる。


「燃えろ!!!全部燃やし尽くしてやる!!!!」


「父さんすげぇ〜」


「いつものことだろ」


「わんちゃんさん…私は何をすれば…?」


「母さん!!時間を稼いで欲しい!!!」


「お前…!」


「だから、後のことお願い!」


 わんちゃんは自信を持ってゼルネアスに言う。ゼルネアスはわんちゃんの胸に手を触れると薄らと笑い、その場を離れて行く。わんちゃんは胸に触れると静かに鼓動をしている。

 わんちゃんはエルピオンを見ると何をすればいいのかを伝える。


「エル、お前は俺に神力を預ければいい」


「それって、破壊の女神の力ですか?」


「そう、それを光線にして魔人に撃つ。だが、威力がバカみたいに強いから、俺たちは無事では済まない。最悪の場合、俺かエル、どちらかが死ぬ運命になる」


「それは…かなり命懸けですね」


「だから聞いたんだよ、俺と死ぬ気はあるかって」


「そこまで言ってないような…」


「そこは大目に見ろよ〜やってくれるのかやらないのかどっちだよ!」


「やりますよ!!!何のために戦ってきたんですか!!!」


「よろしい!!」


「やるなら早くやりましょう!!!」


 エルピオンはわんちゃんに向けて神力を流す。体から力が抜けていく感覚はエルピオンの集中力を切らされる思いになる。


「エル、頑張れ…!」


「はい、わんちゃんさん…!!!」


 エルピオンとわんちゃんが何かをしているのはラルカも気づいている。しかしジームの炎を消すことができない。リュウドラもこの炎を利用して魔人から体力を奪っていく。


『こんな炎…邪魔よ!!!!!』


 ラルカは炎をかき消すと魔人は翼を再生させる。


「空に飛び立たせるな!!!!!」


 ゼルネアスの声に反応してべルーラは翼を狙う。しかし魔人から黒い腕が飛び出しべルーラを掴む。掴まれた腕から黒い力が注ぎ込まれて行く。


「ッッッッ!!!!!!!!!」


 ひどい激痛にべルーラは空から落ちてくる。闇アルタはべルーラを掴むと掴まれた腕が黒く爛れている。


「何だよこれ…!!!」


 その腕を見たゼルネアスはその腕に触れると闇の力だとわかる。それを吸い取り、自分の力にする。


「お前ら!!!あの黒い腕に触れられるな!!!!闇に侵されるぞ!!!!」


「べルーラは…!!!」


「多少闇の力に侵されているが、すぐには目を覚まさないだろう…。今は悪夢を見ているだろうからな」


「そんな…!!!!」


 闇アルタはべルーラを見つめると額に冷や汗が出ている。


「今だけどこかに隠してこい」


「はい…」


 闇アルタはべルーラを連れて行くとわんちゃんとエルピオンがいた場所に強い光が出ている。その光はソラたちがいる場所まで届いている。


「みんな…お待たせ!!!!」


「マジかよ…早すぎるだろ!!!!」


 ここまで早くあの技の充電が貯まるはずがない。どちらかが限界を超えている。ゼルネアスは嫌な予感しかしない。


「ラルカ…お前はここまでだ…!!さっさと死にな!!!!」


 わんちゃんはラルカに腕を向ける。神力の力強く、焦点が合わない。


『そんな技!!!簡単に避けてやる!!!!』


 ラルカは飛び立とうとすると体がうまく動かない。体の限界かと感じたが、魔人の体に赤い鎖と白い鎖が巻き付いている。建物の上を見るとヒュリーとガレオの姿がある。


『貴様ら!!!!!!!!!!!』


「破壊のバースト・インパクト!!!!!!!!!!!!!!」

ここまで読んでくださりありがとうございます!!

次回もお楽しみに

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