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家族

 王冠のような角を持った魔族の男、それはヒュリーの父親ーゼウリスーの姿。その姿をラルカは記憶していた。もう二度と会うことのできないと思っていた父の姿をもう一度見ることのできたことにヒュリーは目尻が熱くなる。


「ふざけやがって…!俺の親父を、俺の親父の姿で、戦わせるんじゃねーぞ!!!!!!」


「ヒュリーさん!!!!」


 光の速さでゼリウルに向かうヒュリーは彼と剣を交える。能力も力もそのままの彼にヒュリーは目を見開く。


「おいおいヒュリー、俺を殺すのかよ?」


「ッッッッ!!!!!!!!!」


 父親そっくりの声、反応にヒュリーは一瞬だけ力が抜ける。その瞬間を狙われ地面に叩きつけられてしまう。背中を強打し息を上手く吸えない。


「ヒュリー、お前もラルカ様の仲間になれ。新時代を一緒に祝おう!!!!」


「親父は…そんなこと言わねぇ!!!!」


 その言葉にゼウリスは笑顔が消え、腹部を踏みつけられる。酷い圧迫に過呼吸になりかける。


「兄ちゃん!!!!!」


 ビリーはヒュリーの元へ向かい、ゼウリスを蹴る。しかし全く動かないことにビリーは恐怖を感じる。


「ビリー、()()を蹴るなんて、酷いね」


「「えっ?」」


 二人は目を丸くさせる。そのことにヒュリーはゼウリスの片足を切断、後方に蹴り飛ばす。地面を転がるゼウリスは片足で止まり足を再生させる。


「酷いな…ッ!!!!!」


 斜めに斬られるゼウリスはヒュリーを見つめる。ヒュリーの目には敵を見る瞳になっている。


「嘘でしょ?お前斬れるの?」


「ついでに教えてやるよ。ビリーは俺の兄弟だけど、親父の()()()()なんだよね」


「なっ!!!!!」


 ヒュリーはゼウリスの首を切断させる。灰になっていく彼の姿にヒュリーは別れを告げる。もう二度と会うことのない彼の存在に。それでも、己の中でいつまでも生き続けている父親にほっと胸を撫で下ろす。ヒュリーはわんさか出てくる人々に刃を振るう。


「これ、色々な意味でやばくない?」


「数が多すぎるな…!!!!」


「ネーたち頑張るよ!!!!!」


 ネールはわんちゃんたちの前に出てウェアウルフの力を思う存分発揮する。足の怪我を治されたウルファは山犬の姿になり市民たちを食らう。彼らの体を引きちぎり黒い灰を辺りに散りばめる。


「犬さんすごいね!!!」


『敵はまだまだ来るぞ!!!』


「もちろん!!!!」


 ネールは片っ端下から人々を倒していく。ヘルズはカルエラとシュルトを見る。


「二人とも…!!今だけ協力して!!!このままだとみんなやられてしまう!!!」


「ッッッッ!!!!今回だけだ!!!!」


 シュルトの言葉にヘルズは不敵に笑う。全員で彼らの数を減らすために一気に向かう。市民は全て魔人の力で生み出された人たち。急所はほとんど生き物と同じ。首を切断したり、心臓を貫いたりしたりすれば絶命する。しかし相手である魔人は無限の魔力を持っている。できる限りのことをすれば何とかできるだろう。

ここまで読んでくださりありがとうございます!!

次回もお楽しみに

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