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悪逆非道な魔人

 遠く離れた場所でカイリとエリエラはわんちゃんたちの様子を見ている。


「なんだあれ?」


「魔人…のようですが」


「めんどくさい野郎だな。あんな力を持った魔人が存在するんだな…」


「どういうことですか?」


「やつの体力、無限だぞ。しかも治癒能力も持っている。あれを倒すのは至難の業だぞ」


「それって!!!」


「間違いなく、全員死ぬな」


 エリエラの言葉にカイリは嫌な想像をしてしまう。血に染まった大地、生きたまま食べられる人。それだけは絶対に阻止したい。だが、そんな力はカイリは持ち合わせていない。


「カイリ、お前さんはまだこの大地を踏みしめたいか?」


「……!!エルエラさん、僕は元々死んだ身です。天上界で皆さんを守るのが僕の仕事なので、この地上にはちゃんと守ってくれる人がいます。それに、僕はエルエラさんの部下です。どうか、ご命令を」


「そうか…なら、私と共に、死んでくれ」


「御意!!」


 エルエラとカイリは手をつなぎ、天空人の光の力をためる。


『我が名はエリエラ、天空の王家継承者…。この身を生贄に捧げ、我の願いを聞きたまえ。この大いなる大地に太古の戦士を蘇らせよ!!!』


 エルエラとカイリの体が光の粒子なっていく。それは願いを聞き入れた印。エリエラは背後にいる戦士と目が合う。


『お前ら、あとは頼んだよ』


 エリエラとカイリはこの大地から消え去る。その感覚はエルピオンに届き、慌ててエリエラたちがいた場所を見つめる。気配が消えたことにエルピオンは理解できないが、二人に感謝の想いを伝える。魔人はエルピオンたちに向かって叫び声を上げる。すると赤紫色の煙を生み出し三人の人を生み出す。その姿は見かけたことのある姿。一人はバンで、もう一人はアンネール、そしてハンス。あの三人は死んだはずの人。


「どう言うことだ!!!!あいつらは…!!!」


「アンネールはあの時の爆発で死んでいる!!!!」


「ハンスはグリアくんが踏み潰してくれたから死んでるよ!!!!!」


「一体何が起きてるの???」


 ライガルは煙管を吸うと一気に吹きかける。三人を包む煙だが、ダメージは無い。


「こいつら、生きてるわけじゃないな」


「魔人の力か?」


「そうだろうな。こいつらにわたしの毒が効いていないのだから」


「全ては、ラルカ様のために…!」


「ラルカ様のために…!!」


 三人はエルピオンたちに向かってくる。しかし攻撃の仕方はラルカの望むやり方。アンネールは魔道士だと言うのに鞭を振り回している。ハンスは大太刀を振り回している。


「アンネールさんは魔道士では⁈」


「ラルカの望んだ戦士なんだ!!!!これじゃ死んだ人間を蘇らせているのと同じだ!!!!」


 ラルカは大量に人を生み出していく。市民だった者、兵士、冒険者、魔物。しかし生み出した人を見てヒュリーは息を呑む。王冠のような角を生やした男の姿。


「全ては、ラルカ様の望むままに!!!」


「お、親父…………!!!!!!」

ここまで読んでくださりありがとうございます!!

次回もお楽しみに

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