魔人とラルカ
封印が解かれた魔人、それは戦争前にヒュリーの父親と兄や姉がその命をかけて封印した魔人。しかし魂だけを封印できただけで、体は残ったまま。そこで亡くなったヒュリーの家族の亡骸と共に燃やし、とある場所に隠した。
それを探し出し、すべて繋げて魂の封印すら解放をした。ラルカが飲んでいた赤い液体は魔人の身体を粉々にして体に染み込ませていた。
「最後の、一杯…」
ラルカは最後の一杯を飲むと身体に異変を感じる。その感覚は自分の興奮を刺激してくる。身体の奥で染み渡る魔人の快楽。それ全てを受け入れる覚悟があるラルカは魔人に聞く、どうしたいのかを。魔人は答える、『魔神を飲み込みたい』そう答える。魔神の力を持っている人物、それは一人しか思い当たらない。神の力を二つ持つ者、わんちゃん・アデルという存在。彼は先代世界の王と共に世界神の力と魔神の力を受け継いでいる。彼を喰らうことができれば魔人の願いを叶えることもできる。
「いいわ、その願い絶対に叶えてあげる。食べたら、私の願いも叶えてね」
魔人は答える。約束する、と。ラルカはその言葉に興奮を覚える。願いを叶えてもらえれば、全てがうまくいく。わんちゃんに阻まれた計画が、成功する。
◆❖◇◇❖◆
魔人の中でラルカはわんちゃんを見る。思わず笑みが零れる。ラルカは魔人に魔神の力を持っているわんちゃんを喰らうように言う。
魔人はグレアの背に居るわんちゃんに向かって口を開く。グレアは慌てて逃げ、地上に居るゼルネアスたちの元へ向かう。
「わんちゃん!!!!!!」
「母さん!!俺は大丈夫だ!!」
魔人を見つめるとあの時の恐怖心がフラッシュバックしてくる。魔人に喰われそうになったあの時のことが。だが、それはヒュリーの家族のおかげで助かったが、今はその人たちはいない。
「どうする…???今の俺たちで倒せると思う????」
「これだけいれば…何とかなるだろう??」
「エル!!!!」
「あ!師匠!!!」
グリアの背から降りるエルピオンはにっこり笑う。久しぶりに会うような気がするエルピオンは何を話していいのかがよくわからない。
「ルピ~~~~~~~~!!!!!!!」
遠く離れたところからネールとウルファスがやってくる。その後に別の方角からアーテルスとヘルガがやってくる。エルピオンの仲間が終結すると心強く感じる。
「それよりこいつは…?」
「魔人だよ、しかもかなりやばい奴」
ソラとサタン、リュウタたち魔族がやってくる。この場所にほとんどの仲間たちが終結する。ここが、本当の最終決戦場所。必ず、ラルカを倒さなければならない。全員が褌を閉め直さなければならい状況になる。
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次回もお楽しみに
 




