雪姫と人型兵器
最近気づくなんて、おかしいと思いますが…『リリィ』と言う人物が二人いたため、バンの恋人の名前を『リン』に変えさせて頂きました。すみませんでしたm(*_ _)m
逃げ出したカルエラは雪が降り積もる地域で歩き続ける。右も左もわからない場所でこれから生きて行くと考えるとシュルトの存在が大きく感じる。山を登っていくと古びた城まで辿り着く。ほとんど崩壊しているが一部が氷漬けにされているために崩壊はしない。
「ここは…」
中に入っていくと周りの全てを氷漬けにされている部屋に一本の槍がある。その槍はカルエラを呼んでいる気がする。カルエラはその槍に触れると槍から心音のような音が聞こえてくる。その音はカルエラにとって、心地いい音に聞こえる。その槍を持ち上げると簡単に抜け、空気のように軽く、冷たい槍。その槍はカルエラを待っていたような気もする。
「…。お借りします」
カルエラはその槍を持ってその場から離れる。あの事件からしばらくして、シュルトの声が聞こえるようになってきた。そして彼と引き離すこともできるようになった。
◆❖◇◇❖◆
今の二人がいるのはあのペストマスクの男と人型兵器が原因。この男型の人型兵器はあの後から作られた者だと、シュルトは思う。
「カルエラ、俺のことを覚えているよね?」
「あの時、私とお兄ちゃんを…助けてくれた女の子だよね?」
「まさか…?!ありえない!!!!」
「俺は、サンデスと契約をして今の姿を手にした。だからあの時の女は俺のことだ」
「それと、今はあのペストマスクの男とは繋がってない」
今の状況に理解ができずにシュルトは頭を抱える。動きが止まった彼に殺すべきかを考えてしまうジームだが突如大きく地面が揺れる。立っているのが辛くなり片膝をついて揺れに耐える。ハルルカはひどい揺れに転んでしまう。
「いったい何が起きてるんだよ!!!!」
ゼルネアスは空を見上げると地面から黒い人が姿を見せる。巨人のような姿だが背中からコウモリのような翼を生やし頭部から五本の角が王冠のように生えている。その姿を目の当たりにしたソラは絶望の顔が見える。
「あれは…!まさか!!!」
「あの女、解放したみたいだな…!俺らだけでできるか?」
「親父…!」
ソラは何とか動き、サタンと目を合わせる。このままいくと確実に死んでしまう。それだけは阻止したいが、どのような手段を取ればいいのかわからない。
◆❖◇◇❖◆
落ちてきたわんちゃんたちを案内してくれるリリィという少女。真っ暗闇を歩くがろうそくの炎の光に安心感がある。
「リリィちゃんは、ここで捕まってるの?」
「私はただの亡霊よ。だけどあなたたちを連れてくるように言われているだけ」
「誰にですか?」
「この先にいる人です」
リリィはすたすた歩いていくが最後尾にいるわんちゃんは歩みを止めるとエルピオンとネイカ、そしてバンにガスマスクをつける。
「えっ?ママ??」
「どうかしたんですか?」
「いや~~~~~~~~な臭いするからさ」
「毒の臭いでしょ。彼もそれは言っていたわ。『わんちゃん・アデルは鼻が敏感だから、わたしが誰なのかすぐにわかるはずだ』って」
わんちゃんはそれを聞くと急いで走り出す。ジーナも同じように走り出してしまう。二人の姿にネイカは少し嬉しそうにしている。
「エルちゃん気にしないで。行けばわかるから」
リリィと共に向かうと日光が差し込める場所でわんちゃんとジーナは一人の紫色の髪をした女のような男を抱きしめている。二人は小刻みに震えているために泣いているのではと思う。
ここまで読んでくださりありがとうございます!!
前書きに書いた通り、名前を変更しました。『リン』の登場はもう無いかもしれませんが、よろしくお願いします。プロットでも見たところ、同じ名前が二人いました!疲れていたのかな…?
次回もお楽しみに
 




