改造された兄妹
カルエラとシュルトは診察台で寝かされるとカルエラの腕に得体の知れない薬品を打たれる。すぐに眠ってしまったカルエラは眠りにつく。眠ったカルエラとシュルトを見て研究者はペストマスクを外して二人を見つめる。
「さぁ、実験を始めよう」
彼は二人に手をかける。カルエラが目を覚ますと隣で寝ていたはずの兄の姿は無く、右腕には呪いをかけられていた。理解ができないカルエラはペストマスクの研究者に訊く。
「あの、兄は…⁈」
「お兄さん?一緒にいるよ。君の中にね?」
カルエラは腕にできたこの呪いの意味を理解する。兄を助けるという後述で実験体にさせられたと言うことに。
「君たちはいい材料になったよ…!お兄さんの体はもう使い物に無いから、君の体と一つにさせてもらったよ。だが、今までそれに成功した者はいなかった!やはり兄妹だからだろうかね???」
「そんな…!!!!お兄ちゃんを返して!!!!!こんな風に!!!なりたくなかった!!!!!!」
カルエラは子供の力で彼を叩くが肩叩きにしかならない。泣きじゃくるカルエラだが、彼はそれを見ながら笑っている。彼に憎しみを思う。だが、こうなったのは己のせいだと思い始める。己もシュルトほどに強ければ足手纏いにならずに済んだ。もしくは、産まれて来なければこのような状況にならなかった。
カルエラは後悔で泣きじゃくっていると建物から警報が鳴る。爆発するような音に同じ研究者が慌ててやって来る。
「博士!!!奴が来ました!!!!」
「行動が早いな…。早急に脱出する。人型生物を連れてこい!!!」
するとその後に女性の研究者が慌ててやって来る。
「博士!!やられました!!彼女が逃げました!!!」
「何だと…!!やむを得ん、我々も逃げよう!!!」
彼らは逃げて行くとカルエラも逃げることにする。しかし出口になれそうな場所は炎で焼かれている。
「私…ここで死ぬのかな…?」
カルエラの上から瓦礫が落ちてくると瞬時に周りが凍りつく。氷の中で炎が燃えている。寒気が来そうな冷たさにカルエラは顔を上げると片腕が凍っている一人の男が目の前にいる。
「おい、ライガル。こんなところに女の子がいるぞ」
「おや、まだこんなに小さい子を…。どうやら人体実験の被害者だね」
彼が持っている煙管からは赤い煙を吸っている。匂いを嗅ぐと火炎性の毒だとわかる。取り立ての仕事中に毒の研究をしている研究者の場所で嗅いでいたために毒に慣れているために、毒耐性ができてるカルエラには何ともない。
「きみ、毒耐性あるみたいだね。わんちゃんくんみたいだね」
「マジかよ。てことは、あいつはもうここにはいないってことかな?」
「そう言うことだろう。きみ、この先は氷のドームになっているからそこから出なさい。この先はとても寒いからこれでも着て行きなさい」
「あ、ありがとう…。お姉さん」
カルエラは出ていくと片腕が氷に覆われている彼、アイルは笑いを堪えている。その姿にライガルはジト目で見つめる。
「お前…!!!男なのに!!!!」
「笑いすぎだ…。それと今手元に猛毒があるけど…飲むかい?」
「俺死んだらアルタに怒られるぞ…」
「それはダメだね」
にっこにっこしているがライガルは飲ませる気満々でいる。
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