兄妹の過去、ペストマスクの研究者
シュルトとカルエラは飢えに苦しむ地域で生まれ育った。シュルトとカルエラの母親は遊郭で有名な遊女だったが、子供を身籠ったために遊郭から追い出され、戦争から逃げてきた人々が集まる場所に身を置いていた。その身籠った子供がシュルト。しかしお金がない母親は遊郭で行っていた身体を売ることで金を集めていた。
しかし子供はよく食べるために金のない上に商売の邪魔になった母親はシュルトを殺そうと考えるが母親の美貌に惚れたとある伯爵は母親を愛人にした。だが、シュルトは連れて行かずに、捨てて行ってしまった。だが母親は子供を身籠った母親はごみの様に捨てられてしまった。
伯爵の愛人になった割には服装は逃げて来た時よりボロボロの姿だった。母親は伯爵に騙されていた。伯爵夫人は子供ができない身体だったために子どもを作る女が必要だった。母親はそれに利用されただけ。そして身篭ったのが女だったために捨てられた。
大きくなったシュルトは母親の八つ当たりの対象となり、何度殺されかけたことか。なんども殴られ、火で炙られたこともあった。
しかしそれは長く続かなかった。母親は梅毒で死んだ。妹を産んだ後に。妹であるカルエラはシュルトの後を追いかけるようにいつも一緒に行動していた。
「お兄ちゃん!待って!!」
「大丈夫か?」
二人はいつも一緒に行動し、二人で取り立ての仕事をしていた。盗みを働いた者、金を返さない奴らにすぐに金を返すように促す仕事を行なっていた。シュルトは並外れた力を持っていたために一人で行動しても良かったが、カルエラに何かされるのではと思い、共に行動していった。しかしある時から見知らぬ人がやって来た。その者はペストマスクを付けた一人の科学者が二人が暮らす地域にやってきた。その者は今では使われていない教会を本拠地にして暮らし始めた。
このような誰からも必要とされない人たちの集まる場所にやって来た意味は二人には関係ないが、嫌な雰囲気の彼に寝ている間も警戒を緩めることができない。
シュルトは眠っていると体を揺さぶられて目が覚める。
「お兄ちゃん…」
「カルエラ、どうしたんだ?」
「なにか、変」
暮らしているテントから顔を覗かせると松明を持った研究者が一人の男の周りに立っている。何かの実験にしても、座らされている男はこの場所に生きる人である。
「あいつら、何する気だ?」
するとその人は身体中からボコボコと膨れ上がり、悲鳴をあげている。意味のわからない実験にシュルトはカルエラに寝るように言う。翌朝、その人は以上な姿で見つかった。彼の周りにカラスが飛び周り、腐った肉を貪り食っていた。彼はまだ生きているのかわからないが少しだけ、体は動いていた。
それを見てからシュルトは嫌な予感が頭を過ぎる。もしかしたら、彼らがここに来た理由は、身寄りのない彼らを人体実験するためなのではと考える。だが、いつまでもそのようなことを考えてては行けない。それが行けなかった。カルエラが、逆ギレした奴らに狙われた。シュルトはカルエラを庇ったが、背中に大きな傷ができてしまった。
「お兄ちゃん!!!」
「カル…エラ……。逃げろ………!!!!」
「嫌だ!!!!」
怯えるカルエラだが、大斧を振りかぶる彼は二人の目の前で心臓を抉られた。それは顔にヒビの入った小さな少女の姿。彼女がやったのはわかったが、なぜこのようなことをしたのかわからない。
「ダイジョウブ?」
機械のような彼女に二人は会話ができない。
「どうしたんだ?おや…」
研究者はカルエラとシュルトは見ると研究施設に連れてくるように言う。
「あの、兄は…大丈夫ですか⁈助かりますか????」
「お嬢ちゃん、きみには我々に協力してほしい。その代わり、お兄さんは助けてあげるから」
優しく声をかけてもらい、カルエラは大きく喜ぶ。彼に利用されているともしらずに。
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