人狼の運命
よろしくお願いします
ネールの体は地面に叩き付けられるように崩れる。
「ネーニャ!!」
慌てて駆け寄るウルファスをシーヤは殺しにかかるが、エルピオンがそれを阻止する。
「獄炎の舞ー炎柱ー!!」
「邪魔しないでよ!」
「邪魔をしているのはどっちだ!よくもネーニャを!!」
怒りを見せるエルピオン。
「ネーニャ…ネーニャ!しっかりしろ!」
ウルファスは自身の愚かさにこの時に思い知る。血だらけになったネーニャはピクリともしない。だが、冷たくなる感じはしない。まだ生きていることを教えてくれる。
ウルファスはコロを見る。彼女は魔王倒しに夢中になっている。
「あっはははは!ほらほらーどうしたの?もっと殺しに来なよ!」
「くそ!」
彼女の持つ鉤爪は容赦なく魔王を攻撃する。彼は当たらないように防御の体勢を取るしかない。
ハルルカは魔王を援護する形で応戦する。だが、彼女も魔法が切れかけているのか、汗をたくさんかき辛そうにしている。それを見てウルファスは覚悟を決める。
「エル」
「なに?何か策でもあるの?」
ウルファスは躊躇いながらも声を出す。
「ネーニャのことを、頼んだよ」
エルピオンに振り向いた顔はなにか悲しそうで謝りたい顔をしている。
「どういうことだ?!ちゃんと説明して!」
エルピオンが聞く前にウルファスは人狼に姿を変えて姿を消す。
「その人狼。殺してあげるよ!」
シーヤはもう一度ネールを殺しにかかる。エルピオンはネールを守るように剣を構える。
すると、シーヤの片腕が破裂したかのように切り取られる。
「何?これ?」
驚いているシーヤに風を切るようにして首が飛ぶ。
「首を…斬られた?!一体誰だ!」
地面に落ちるシーヤの首が目だけ動いて探している。そしてそれを見つける。それは灰色の狼だった。グルグルッと喉を鳴らし、威嚇をする。
「あれは?」
不思議に見ていると、ネールが目を覚ます。
「ネーニャ!気がついたんだね」
「お、お兄…ちゃん…」
ネールが見る先にはあの狼。まさかあの狼がウルファスだということなのか。
「あの人狼が狼になった?ああ、なるほどね。賭けに出たのね」
コロはふふふと笑う。
「くそ!くそ!くそ!!あの人狼!許さない!許さない!」
シーヤの首と体がボロボロと灰のように崩れ、消えていった。
「あいつ!死ぬ気か!」
ウルファスを見て魔王は恐ろしく思う。
グルグル喉を鳴らすウルファス。コロは挑発する。
「来なさい。人狼。あなたの最後を見せてちょうだい」
ウルファスはその挑発に乗ってしまい、一気に走る。
「やめろ!本当に死ぬぞ!」
魔王の忠告を聞かず、ウルファスは突進する。コロはなぜ最後を見せてなどと言ったのか。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
次回は少し泣きそうになるかもしれませんが、よろしくお願いします。また見てください!⸜(๑⃙⃘'ᗜ'๑⃙⃘)⸝
 




