闇の帝王
魔法を発動とするアンネールをゼルネアスはアデルの力を発動して黒い鞭を生み出す。その鞭の攻撃でアンネールの魔法の発動を出来なくする。
「ゼルネアス、あんた一人⁈ジームはどうしたのよ⁈」
「逸れた。闇魔法の気配が感じたからこっちに来ただけだ」
ソラのことを一瞬見るゼルネアスは彼が痺れていることがわかる。アンネールの様子を見ると理性を失っているのがわかる。ラルカの狂信者だとすぐにわかる。おかしくなりすぎて自身でも止めることができなくなっている。あの様子はもう『暴走』と言える。
「あいつを止めれば、良いのか?」
「気をつけてよ?あの子城下町の市民を人形のように使うわ!!」
「いやお前戦えよ…」
「私は回復専門なの!攻撃魔法なんてほとんど使えないのよ!!!」
「じゃあなんで来たんだよ…」
「ルカが心配だから!」
自信満々に言うナルネスにゼルネアスは真顔になる。冷たい空気が流れるその場所にアンネールは市民を使って攻撃をする。しかし防護壁によってその攻撃は防がれる。
「その壁なんなのよ…攻撃が通らない」
「実力の差だな。俺の中にあるエネルギーは通常の剣士の倍以上だ。それで普通より硬い防護壁を生み出すことができると言うことさ」
地面から生み出していく黒い鞭はアンネールを捕らえにかかる。しかしアンネールは高速で動き、ゼルネアスとの距離を詰める。ゼルネアスの首に刃が触れる数センチのところでゼルネアスは口を開く。
「エデル、さっさと来い」
「ッッッ!!!!!」
アンネールは異様な恐ろしい気配に身を引くが彼女の腕は綺麗に切断される。高速すぎる動きにアンネールはついていけない。腹部に突き刺さる刃に彼女は悲鳴を上げる。痛みと苦しさに漆黒の悪魔を見つめる。
「お前は…!」
「申し訳ありません…絶命させることができませんでした」
黒い霧が晴れるとそれはエデルだとわかる。興奮を覚えるハルルカだがアンネールの操っている人々の姿が先ほどより少なく見える。そのことに気づきのは遅すぎる結果となる。彼女は大量の市民に刀を持たせてハルルカたちを囲むように立たせている。
「囲まれいる⁈」
「これちょっとまずいんじゃないかしら…????」
「これで終わりにしてあげるわ!!!!」
四人を一気に襲う人々だがゼルネアスから息を吸う音が真近くで聞いているような音にハルルカは一人落ち着いてしまう。彼がいれば大丈夫だと感じられる。一瞬、時が止まったかのように周りの音が止まったような摩訶不思議な状況が出来上がる。
「俺は…そんなに甘くないぞ。小娘…」
ゼルネアスが口を開くとエデルは武器の姿になる。
「居合…黒風刀斬!!!!」
ゼルネアスは音より早く操られている市民を切断する。それは風のように高速で動き、黒い斬撃をそれらは喰らう。それらには出血は見られず、人形のように崩れ落ちていく。アンネールはその姿に絶望の悲鳴をあげる。しかしその声は虚しく虚空へ消えていく。ゼルネアスはゆっくりアンネールに近づくとその首を切り落とす。
相手が誰であろうとも、手は抜かない。相手が女だろうが、子供だろうが、刃向かう奴は全て敵。ゼルネアスが闇の帝王と呼ばれるのはそこから来ている。
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次回もお楽しみに
 




