双子の魔族
番外編を作ろうかと思いましたが、出来そうにないので次回話を出そうと思います。第二章、始まり!
エルピオンたちの行く手を阻むように、双子が出てくる。
「君がエルピオン?なんだか予想していた子と違う」
双子の兄が頬を膨らませて言う。双子の妹はくすくす笑う。
「文句言わないでよ。私たちは任務を達成すればいいんだから」
「任務?何の話だ!」
エルピオンは怒鳴り散らすように言う。
「きゃー、怒った怒った」
妹は棒読みで怯えたフリをする。
「貴様、舐めていると痛い目見るぞ」
「あんたが魔王アーテルスだね。やっぱりマヌス様の方が全然いい」
今度は兄の方が話す。魔王はマヌスの名前が出た時、一瞬眉間の皺が動く。
「お前たち、マヌスの仲間か?」
「さぁ、どうだろうね」
彼らはくすくす笑う。そして腕に青い光を灯す。それは魔王の力を意味する。
「やっぱり仲間じゃないかよ!」
魔王は一気に二人の間合いを詰める。だが、それはすぐに避けられる。
「ほんと短気ね。短気な男は嫌われるわよ」
妹がくすくす笑っていると、後ろから剣で腕を削ぎ落とされる。
「あらヤダ」
切れた腕を置いて双子は寄り添う。
「私の腕を切り落としたあなたに免じて名前を教えてあげる。私はコロ」
「僕はシーヤ。二人合わせて殺し屋。そう呼ばれているよ」
「どっちかと言うと語呂合わせなんだよね」
コロは面倒くさそうに言う。
「まぁ、そう言うなよ。さて、人殺しを致しますか!!」
シーヤはエルピオンに向かって襲いかかる。コロは魔王に向かう。ハルルカはそれを阻止しようと魔法を放つ。
「殺らせないよ」
「あら、面白い人だね。余程早死したいようだから、先に殺してあげる」
コロは不気味な笑顔を作るとハルルカを糸で引き裂いたかのように体に傷を作る。ハルルカは痛みのあまり、悲鳴を上げる。
「ルカ!」
エルピオンが助けに入ろうとしても、シーヤがそれを邪魔する。
「君の相手は僕でしょ!」
シーヤは持っている短剣でエルピオンに切り込む。彼の動きを見て、エルピオンは思う。彼らは殺しをするために鍛え上げられていることに。
「そういえば、そこの人狼。全く動かないね。女の子は僕が殺そう」
シーヤはエルピオンの体勢を崩させて、ネールに向かう。ウルファスと離れていたため、判断が遅れる。
「バイバイ…」
シーヤは小さく言うとネールの腹を引き裂く。花火のように飛ぶ鮮血はウルファス人狼の血がざわめき始めた。
ここまで読んでくださりありがとうございます!
ついに第二章始まりました。良かったら次回も読んでください。




