兄の謎
エルピオンたちが休んでいる間、ラルカ軍は慌てている様子になる。
「なんですって⁈カルラが⁈」
ラルカは手に持っていたティーカップを落とす。騎士長に続いて彼女までやられることにラルカは気を落ち着けるために爪を噛む。ラルカの慌てように伝達係は焦りを覚える。
「どういたしましょう…?このままでは我々は…!!!!」
「わかってるわ。仕方が無いわね、四天王をここに、作戦会議をするわよ」
◆❖◇◇❖◆
辺りは真っ暗になり、エルピオンは眠ってしまている。あたりにあるのは戦士たちがつけた焚き火だけ。エルピオンは寝ぼけた顔で立ち上がると暗がりに古代兵器とセルテは一緒に居るのが見える。
「お兄ちゃんと…セルテさん?」
エルピオンはばれないように二人の話を聞きに行く。
「お前、その古代兵器の中に入っちまったんだな。いや、無理に話そうとしなくていい。お前が話したいことはわかってるから」
グリアは機械音を出しながら体を動かす。
「お前の妹、結構強いぞ。だけど自分の命を軽く見すぎている。もう少し自分の生を大事にして欲しいよ」
『グルルルルルっ』
「はぁ?エルが居るって…お前、そんなところに隠れてないでこっちに来い」
エルピオンが盗み聞きしているのがバレているみたいで、そっと姿を見せる。エルピオンは二人の元に向かうと二人の間に座らされる。
「ごめんなさい、盗み聞きするつもりは無いんですけど…。ところでセルテさんは兄の知り合いなんですか?」
「まぁ、そうだな。だからあの時お前の名前を知っていたんだよ」
「そうだったんですね…」
グリアはエルピオンに頬すりをする。エルピオンは返すように頭を撫でる。
「お前の兄は、死んだ後俺たちが居たあの場所に来たんだ。アデルの力が覚醒していないグリアがな」
「そうなんですか?初めて知りました…」
「そういえば言ってなかったね」
「だとしたら、どうして兄は入れたのでしょう?」
「そうなんだよね〜驚いたよ本当に」
エルピオンの背後にビリーがいることに三人は驚きを見せる。
「なんであんたいるんだよ…」
「だってわんちゃんに呼ばれちゃったんだもん」
「ヒュリーさんは?」
「わんちゃんのところにいる〜」
ビリーは暇そうにしているためにエルピオンの後ろに座る。
「でも驚いたよ。君が古代兵器の中に入ってしまうなんて」
ビリーはグリアを見つめると彼は少しビビリを見せる。その姿にエルピオンは思わず笑ってしまう。エルピオンのその笑顔にグリアはあの時の自分が不甲斐ないと感じてしまう。人であった時ではできなかったエルピオンの笑顔は自分では無い誰かが笑顔に変えてくれたことに幸福しかない。この争いが終われば、きっともっと楽しい時間が訪れることを望む。
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次回もお楽しみに
 




