モンスター軍の猛攻撃
交代交代で倒し続けるエルピオンたちだが、古代兵器は減ることがない。
「わんちゃんさん、なんか増えてません？」
「それ、俺も思った」
「あいつらどんなけ復活させたの…⁈」
「先代ッ！！どうすればいいの⁈」
「こいつらを止めるしか俺らに生きる道は無いよ。電気属性の君たちはまだ行けるか⁈」
ボロボロになっているシュンサクはなんとか頷くがサンデスの様子が少しばかり、いやかなりおかしい。
「サンデス…あんた大丈夫？」
「だいひょうふ〜！！！あ！蝶々さ〜んどこに行くの〜〜〜〜？？？」
「あれ、大丈夫なの？」
「サンデスは電気を使いすぎるとバカになるんだよ。しばらくすれば戻るから放置しておいていいよ」
「ヘルズ、それでいいの⁈」
エルピオンは驚きでヘルズを見る。彼は平気そうな顔をしているがあのおかしい人をそのままにしておいては危ない。
「彼は放置しておこう。だけど二人だけで行けるかな？」
「悪いが俺も数発しか撃てない。ここまで連発して撃ったことないからな」
「俺の回復魔法でなんとか…」
シュンサクは痺れてる身体をふらつかせながら話すがわんちゃんは彼に回復魔法をしようとするが、グレスはそれを止めさせる。
「止めておけ、お前はラルカと戦う時に取っておけ」
「だけど…！！！」
「電気属性なら、微量だけど任せて！」
身体の傷を包帯で巻かれたアスト、アイトがやって来る。
「微量だけど、少しぐらい役に立つと思う…」
「怪我はいいのか？あまり無理をするな」
「母さんばかりにがんばらせないよ！！！！」
「僕たちにも、やらせて」
「お前ら…」
「電気魔法なら私も使えます！！！シュンさんほどではありませんが、役には立つと思います…！！！」
「無いよりはマシだね。これで行こう！！！」
エルピオンたちは再形成して古代兵器に向かう。一体づつ倒しながらだが、そろそろ限界が近くなる。頑丈すぎる身体にエルピオンたちの刃まで入らなくなってくる。
「体力が…！！」
「エル！！！」
「っ！！！！」
ジャガー型の古代兵器に叩き落とさせ、エルピオンは地面にめり込む。エルピオンを助けに向かおうとシュンサクは足に力を入れるがうまく力が入らない。電力の使いすぎで体が限界を迎えている。
「エルッッッッッ！！！！！！！」
シュンサクにできることは声を出すことだけ。この思いが誰かに届き、エルピオンを救うことを祈るしかできない。また、あの時と同じように、自分の力では助けられない。あの時から何も変わっていない自分が絶望に叩きつけられる。
地面に叩きつけられたエルピオンは起きあがろうと身体に力を入れるが、片足が引っ掛かり、抜け出せなくなっている。
「しまった…！！！抜けない！」
エルピオンがもがいて居ると古代兵器はエルピオンを殺そうと腕を振り上げる。シュンサクの絶望の声はエルピオンの耳にも届いている。シュンサクの声は誰かに届く。その者は地面から土煙を上げて高速にエルピオンの元に向かう。古代兵器が腕を振り下げた瞬間、その者が受け止める。
エルピオンが目を開けるとそこにはマヌスの姿がある。魔力の壁と槍でその腕を受け止めている。
「えーちゃんは…！！殺させない！！！！」
マヌスはその腕を押し返すと黒いカラスが古代兵器を真っ二つにする。切断された古代兵器はさらに細切れにされる。
「ライガさん！！！！」
その黒いカラスはライガである。マヌスが脱出した影響で瓦礫に空洞ができ、退かすことができたのだろう。
「やっと出れた…。体力だいぶ使った気がする…」
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