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戦え!

 巨鳥型の古代兵器のことを気にしながらエルピオンは戦い続ける。いつまた襲ってくるのかわからない彼らの動きにエルピオンは対処できない。


「くそっ!!!こいつら、学習してやがる!!!」


 彼らは一定の動きをしない。生き物のようにそのボスが合図を出して動かすのとは違く、すべてが単体で勝手に動いている。目の前にいる巨大な人がチームワークすら気にかけずに襲ってきている感覚になる。


「これじゃあ、私が持たない!!いったん退却…!」


 しかし脳裏にまだ瓦礫に埋まっている彼らの姿が思い描く。今でもみんなを助けようとわんちゃんたちが奮闘しているだろう。退却するわけにはいかない。このまま帰ってしまえば、彼らはきっとついて来る。そうなったらまだ瓦礫の下にいる生きている人たちを踏みつぶさせることになる。

 絶対にそんなことはしたくない。もう誰も、死んでほしくない。破壊の女神として目覚めたのなら、そのぐらいの力を発動できるはず。


「私が…みんなを守るんだ…!この命、尽きても!!!!!!」


 エルピオンは全力で向かう。この命が燃え尽きるまで戦い続ける。これは誰かに命令されたからではない。自分の意志で立ち向かう。ここで倒れたら残されたこの場所にいる人たちやわんちゃんたちまでも殺されてしまう。


「燃えろ…!心を燃やせ!!!!!!」


 今まで出していない火加減で炎を生み出す。その炎で一体の古代兵器を切断する。切断された古代兵器の背後には巨大な焼け跡が残る。炎で燃える古代兵器はそのまま焼かれていく。火力の出しすぎでエルピオンは力なく落下していく。空が遠くなっていく。すべての動きがスローモーションのようにゆっくり流れる。もうこの世の終わりを言われているような緩やかな時間。このまま落ちて、目が覚めた時にはベッドの上であってほしいと思ってしまう。


「ーもう、無理だよね…ー」


 エルピオンはあきらめたように目を閉じる。しかしかすかに開いている瞳に真っ白な光が飛んでくる。それは時を無視するように自由自在に飛び回る。エルピオンはそれを手を伸ばすと優しく抱きかかえられる。


「目、閉じてろ」


 エルピオンはその声に聞き覚えがある。その声の主は信用できる声。エルピオンはその体にしがみつく。音すら聞こえずに動きが止まった瞬間目を開けると先ほどまでいた場所とは異なる場所。理解ができずに声も出せないでいると突然風が吹き荒れる。


「やっと風が来たか…!」


 エルピオンを抱えているのは見覚えのない姿。声だけ聴いたことあるのに、見た目は全くの別人。思わず誰だ!と言いたくなるがその者は黒刀から力を抜くとゼルネアスの姿に変わる。


「やっぱりゼルネアスさん!!!てか何ですか…?さっきの姿」


「さっきのは魔族と契約…というより武器化になることのできる魔族と契約した者にできる『魂の開放』。全身の身体能力を最大限に上げるなやばいやつ」


「だけど使いすぎると契約者の体と精神が崩壊する。だから母さんもほとんど使わない」


 ゼルネアスを追いかけてやってきたわんちゃんはエルピオンに回復魔法を放つ。全回復するエルピオンはすぐに立ち上がる。


「だけどすごい火力だね。あの古代兵器を破壊しちゃうんだもん」


「先代…、はやくあれ止めてよ。古代語知ってるでしょ~?」


「知ってるというより、あの言葉作ったの僕なんですけど…」


「早くして」


「もう!わかったよ!せっかちちゃんは嫌われるよ~?」


「俺もう結婚してるし子供もいるんだけど」


「あいつの場合、嫌う以前に標本だろ」


「それって解体って意味????」


「ーライガさんの…話だよね?ー」

ここまで読んでくださりありがとうございます!!

次回もお楽しみに

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