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古代語の読める者

 地面に落ちたエルピオンは瓦礫をどかして起き上がると獅子型の古代兵器に踏み潰されそうになる。


「ヤッベッッッッッ!!!!!」


 急いで移動するとその場所は踏み潰される。その様子を映像魔法道具でラルカは見つめる。


「動きは順調ね。このままエルピオンを倒すことができるのなら、勝ちは見えてくるね」


 鑑賞室で見つめるラルカの部屋に軍服を着た一人の娘が入る。ドイツ国のような軍服に身を纏い、黒髪を簪で留めた彼女はラルカに敬礼を見せる。


「あら、カルラ。古代兵器はうまく作動して居るわよ。本当、夜桜国であなたを見つけれてよかったわ。だけど、その国で花魁をして居るとは知らなかったわ」


「ラルカ様を見つけるなら、有名になった方が見つけやすいと思ったので」


 カルラはにっこり笑う。彼女はエルピオンたちが見ていた花魁、お(はな)として生きてきた。自分が求めていた王、ラルカと会うために行動し、彼女のために働くことにしている。

 二人は鑑賞室で見つめていると建物が大きく揺れる。その衝撃と警報器がうるさく鳴り喚く。


「何事だ!!!」


「建物内のシステムに何者かが侵入!!!おまけに地上から古代兵器が一体墜落して建物が一部崩壊しています!!」


「機材は動くのか⁈」


「ダメそうです…!この地上の者ではないです!!!」


「天界兵士団ね…!!あのジームめ…!!!!」


 ◆❖◇◇❖◆


 天界防衛組織第一本部ではジームの指示の元騒がしく動いている。


「すぐにウイルスを放て!!一時的に機材を動かせなくするんだ!!少しでもわんちゃんたちの時間を稼げ!!!」


「ジーム団長!!天空人のやつらが!!!」


「奴らの相手は俺がやる!!お前らは任務に集中しろ!!!」


『了解!!!!』


 ジームはいつでも来てもいいように剣を構える。何人でも来ようが彼の敵ではない。しかしまだ体は完全復活したわけではない。どこまで持ちこたえることができるかがカギとなる。


「どっからでもこい…!返り討ちにしてやる…!!!」


 出入口をトンカチで殴り続ける音に続いて別の音が聞こえてくる。獣の鳴き声とともに銃を乱射する音が聞こえてくる。不可思議なことにジームはポカリ顔になる。壁の奥から人の会話する声が聞こえるが、どこか聞き覚えのある声。

 ジームは野生の感を感じ、急いで壁から離れると勢いよく壁を破られて男の姿のサルトの姿が目に入る。


「サルトさんっ⁈」


「ジームくん!他の団員は無事か⁈」


「大丈夫です!!!一部のメンバーですが、全員無事です!」


「そうか」


「ところで、どうしてここに」


 サルトの後ろにわんちゃんの顔とよく似ているが、どこか違う人が姿を見せる。


「お前は…わんちゃんの分身体の…」


「はい!主人様のご命令で、天空人は全て排除するように命を受けています!できるのだったら、ジーム様の援護するように言われています」


「ありがとな」


 ジームはわんちゃんの分身体の頭を撫でる。彼は嬉しそうに笑顔になるが、その姿をじっとアスラたちにも見られる。


「それ、終わったらわんちゃんくんにもやってあげなよ、悔しがってるはずだから」


 そのことにジームは少しばかり恥ずかしく感じる。この戦いが終わるまで、わんちゃんの頭を撫でるのはまだ先になる。

ここまで読んでくださりありがとうございます!!

次回もお楽しみに

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