古代兵器
大穴から姿を見せるロボットのような生き物。それを見つめる人々はそれが何なのかわからない。興味を惹かれて外に出る人々やそれに怯えるもの。
その生き物たちはその人たちを見つめると口を開き、破壊光線を放つ。それに撃たれた人々は塵となって宙を舞う。強烈な破壊光線は離れたわんちゃんたちの元にまで届く。
「どういう威力だよ…!!!!」
「あれが古代兵器の力。第一世界大戦で、魔獣に対抗するために人間が生み出した」
「先代さんじゃないんですね」
「僕はあれの動かし方を伝授しただけ。だけどあれほどの数、完全に人を消すつもりだね」
「あれだけの数を生み出すってことは…、ラルカの仲間に古代語が読める人、もしくは先代さんのお弟子さんがいるんですよね?」
「そういう話になるね。だけどこれはいろいろとまずいよね?」
先代は瓦礫にまだ埋まっている人たちのことを考える。今彼らは重傷を負い、万全な状態じゃない。それだというのにあんなやばい兵器が出てきてしまうと危険な状態になる。最悪、死者が後を絶たないだろう。
「わんちゃんさん、私が時間を稼ぎます。その間に、みんなを助け出してください」
「はぁ⁈無茶だ!!!やめろ!!!」
エルピオンはわんちゃんに向かって笑いかけると、純白の翼を生み出して上空に消える。白い光が一線を書き古代兵器の元に向かう。彼らと戦うなんて危険も承知、だがこのまま動かずに死ぬより、誰かの役に立って死んでみたい。もう、ごみの様に捨てられるほど弱くない。誰かに守ってもらわないと生きていけないわけじゃない。自分の道は自分で切り開くしかない、それを教えてくれたのは仲間になってくれた人たち。
「もう、逃げたりしないから!!!!」
エルピオンは一体の古代兵器に蹴りを入れる。体制を崩して一体は大穴の中に消えていく。エルピオンを見つめる彼らはエルピオンに光線を放つ。エルピオンはそれを逃れながら炎魔法を連発させる。しかし当たる前に防護壁で防いでいく。
「魔法は効かないってことね…。いいわ、やってやるよ!!!!」
エルピオンはエデルとは違う剣を取り出す。エデルはゼルネアスの武器として居る。そのため代わりとして渡してくれたのがこの剣。見たことのない花の模様があるが、それ以外は一級品。古代兵器に斬り付けるが、叩きつけるような形となってしまう。しかし衝撃が酷く、古代兵器に損傷を与える。
「この剣凄すぎるでしょ…!」
剣のことに気を取られていると別の古代兵器が腕を振り下ろしてくる。体が損傷している兵器の下に潜り込む。硬すぎるのか彼らは気にも留めない。彼らから少し距離を取るために上空に上がると鳥類型の古代兵器に地面に叩き落とされる。
「痛った…!!!!まじで⁈」
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