反逆者
エルピオンはアデルの力を発動させる。その力がこの城を不安に陥れる。衝撃で揺れ動く城内だが、一人の騎士がノックもせずに中に入ってくる。
「報告します!!たった今、奴らが攻めて来ました!!!」
「やはり、私の予想は外れるわね」
「ラルカ様!ここは私たちが守ります!!どうかお逃げください!!」
「それもそうね。あとは頼むわよ」
「逃げられないよ。あなたが死ぬのは、ここなんだから」
縛られた状態のエルピオンはラルカに伝えるが彼女はエルピオンのことを見向きもせずに部屋を出ていく。ダストシュートに向かうラルカは戦闘状態になっている城内を無視しながら先を急いでいく。
ダストシュートから城内を出ると外に向かって駆ける。しかし見えぬ壁にぶち当たる。突然のことに理解ができずに目を丸くするがすぐに誰の仕業なのかわかる。
「あの小娘どもめ…!!!!」
城から離れた崖の上から踊り子のような衣服を纏った双子の姉妹が城に向かって結界を作り出す。
「なんとか間に合いました…主様、あとはお願いします」
双子を守るように周りを警戒する一人の戦士。彼らは世界の王を護る天上界に住む守り人。戦士のガレオ。双子の黒いはちまきを付けた姉のセリア、白いはちまきを付けた妹のセリネ。二人は巫女として世界の王を守り続けている。わんちゃんが復活したことにより姿を見せることになった。わんちゃんの命令なら人を殺すことに躊躇はない。
「お前らは結界のことに集中しな、お前らは俺が護るから」
「あなたも、主人の元に」
「私たちは大丈夫です」
「これも主人の命令。お前らに死なれたら、ここであの女を殺すのは難しい」
ガレオの言葉に二人は結界を張り続ける。ラルカは出られないことに結界を叩きまくる。しかし破壊ができない。出られないことがわかり、どこか逃げる場所を探す。その時に地下のことを考える。
「そういえば、逃げれる場所があるじゃない」
ラルカは地面を蹴り、土魔法を発動させる。ラルカの場所だけ地形が変わり彼女は地下へ消えていく。降り立った場所は牢獄がある部屋。ラルカはその場所を通って城を出ていく。
◆❖◇◇❖◆
ラルカが出て行ったあと、エルピオンは縄を自力で外す。騎士長はエルピオンに刃を立てるがその刃はエルピオンに届く前に切断される。エルピオンは不気味に笑うと片腕と両足が引き千切る。断末魔のように叫ぶ騎士長だがエルピオンの狂気的な笑顔に恐怖が走る。
「どうしたの?さっきまでも勢いはどこに行ったの?」
「き、貴様…!!!!」
「あの女を選んだからこうなるの。それに、これは戦争。手足ぐらいもがれることだってわかってるでしょ?」
「お前は…どうして?」
「どうして?何言ってるの?これが私なの、エルピオン・ガーネルスはもう死んでるの。あんたの目の前には…エルピオン・アデルがいるだけだよ」
エルピオンは苦笑しながら彼女の首をへし折り切断する。頭を鷲掴みしながら首だけになった騎士長の首を笑顔で持つ。エルピオンを探してやってきたわんちゃんは呆れて笑顔になる。
「どう?アデルになれた感想は?」
「最っ高…♡!!」
ここまで読んでくださりありがとうございます!!
次回も楽しみに
 




