突撃
ライガのいう言葉にハルルカは動揺する。ラルカの敵となっているため、輪廻転生ができない。
「それじゃあ、死んだらもう一度会うことができないんですか?」
「ラルカが主導権を握っているのならね」
エルピオンの自信に満ち溢れている言葉に、ネールは続けて言う。
「あのラルカから取り返せば、また会えるんだよね?」
「そういうことになるね。元々世界神が持っている力。わんちゃんさんの元に戻れば、輪廻転生ができる!」
「そのためには、あの女を倒すだけ」
「だけど、あの女のバックには恐ろしいほどの人数がいるんですよね?」
アーテルスはわんちゃんに聞くと、彼は素直に頷く。わんちゃんはラルカの話をする。彼女は一国の女王であるため、人を集めるのに苦労はしていない。彼女の持つ人柄が周りをひとまとめにする。
そのため、どんな住民でも手を出されたらその手を握ってしまうほどの人物。しかしそのような人が化け物にしていると知る由もない。
「それに、あの女のことだ。俺たちのことを人をエイリアンに変える化け物集団だとか伝えているんだろうな」
「それじゃ…!どうやって攻めこむのですか⁈」
「そこが問題なんだよ。別に俺たちが特攻隊になって突撃するのもいいけど、前に行ったら死にかけたからな」
「なら、その特攻隊、私たちに任せてもらえませんか?」
「えっ?」
「ルピ⁈ネーたちが突進するの⁈」
「難しいと思う、俺らで返り討ちにされてる。余計難しいと思うぞ」
「わんちゃんさん、その突撃隊…僕に任せてもらえませんか?」
話に乱入してくるマヌスは槍を持ってやってくる。
「お前…だけどまだ病み上がりだ」
「僕は隙を作るだけです。それに、僕一人では行く気はありませんので」
「誰を連れて行く気だ」
「俺たちだよ」
陰から出てくるミリアの姿にエルピオンは警戒を見せる。
「お前、死んでなかったのか?」
「あれはマヌスが生み出した分身体だ。実物じゃない。それにネーシアも同じだ」
ミリアの後ろからひょこっと顔を見せるネーシアにアーテルスは警戒してしまう。
「陛下…怒ってます…よね?」
「もう怒ってない。どうせマヌスのために戦っただけなんだから」
「僕も怒ってないよ。自分の主を守ろうとしただけだもんね~」
「元に戻ったんだな。話し方」
「すみませんね。だけど、まだ自分の人格がどっちなのかはっきりしてないので」
「ヘルガさんが少しだけ戻ると変な感じがしますね」
「いつもの方がいい?」
「どっちでも」
「でもさ、それってヘルガの個性だよね」
「えっ?」
「だってそうじゃん。人格が決まらなくても、それはもうヘルガだもん。また落ち着いた時に考えて」
エルピオンの何気ない気遣いにヘルガはほっとしてしまう。身体自体もおかしくなっている自身にここまで優しく向き合ってくれているエルピオンにこれからもついていこうと確信する。
「そんじゃ、突撃しよう!!!」
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