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蘇生

 エルピオンとわんちゃんはお互いに笑い合っているが、わんちゃんはリュウドラは見つめるが、彼らは目を逸らしている。


「ごめんね、エルちゃん。ちょっと待っててね」


 わんちゃんはリュウドラの元へ行くと、彼らは逃げ出そうと後退りをしている。


「お前ら、俺が偽物だってわかってただろう!!!!!」


『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!』


 わんちゃんは黒刀を振り回してリュウドラを追いかけて行く。突然の子供の喧嘩のような行動にエルピオンたちは苦笑いしかできない。エルギはエルピオンのとなりにやってくる。


「あれ、リュウドラの日常なんだよね。いつもならリュウドラわかるのに、わからないふりを続けていたら、怒られているみたいだね」


「そうなんですね…仲良しなんですね」


「どこかだよ…」


 ◆❖◇◇❖◆


 わんちゃんの怒りが収まると死体となった戦士の真ん中に向かい、魔法陣を作りだす。白いチョークで書くとその上に立つ。指を噛み、血を垂らすと魔法陣は大きな陣を作り出す。一人ひとりの上に同じ魔法陣が生み出される。

 わんちゃんは魔力を展開し、死者蘇生を始める。その姿にハルルカは焦りを覚える。


「あんな強力な魔法…!たった一人で行うなんて…危険すぎる!!!」


「大丈夫だよ」


 先ほどまで走り回っていたアルタはハルルカの元へ戻ってくる。


「わんちゃんくんは、世界神だから」


「世界神?」


「そう、この世界を守るために産まれた、世界の王より上の存在」


「死者を蘇らせることぐらい、簡単さ」


 わんちゃんは極大魔法として蘇生を行っていく。重傷を負った体の傷を一つ一つ直していく。一人一人が目を覚まし、今の自分の状況に理解できずにいる。

 ゼルネアスが目を覚ますと一人で溜息を吐く。


「蘇ることに、なるとはな」


「文句は、後でわんちゃんさんに言っておいてください」


 隣で座るエルピオンにゼルネアスはクスッと笑う。


「お前から、ジームの匂いがするのは、なんでだ?」


「天空人が暮らしている場所で、出会いました。お元気そうでしたよ」


「そうか、あいつもいずれ俺らの前に姿を見せるな」


「ジームさんも、やることが終わったら向かうと言ってくれましたので」


「そうだな」


 ◆❖◇◇❖◆


 ほとんどの戦士が目を覚まし、生きている実感を味わう。外に出ていたナルネスたちが中にやってくると今のこの状況に理解が追い付かず、ちんぷんかんぷんになっている。ライガが説明すると理解したのかうなずいてくる。


「それで、どうするの?今すぐにラルカの元に向かうの?」


「今すぐに動いても意味がない。今度は戦士を無駄死にさせることになる。今はここで万全の状態になるまでこの場に居るべきだ」


「だとしても、あのエイリアンは一般市民。簡単に殺してもいい者でしょうか?」


 エデルは大量に殺したあのエイリアンのことを聞く。


「確かに一般市民だ。だけど、それは前の話。今はあの女に化け物にされた人ではならざる者。魂はもうこの地に存在しない。人が戻れるのはあの女次第だ」


「わんちゃんさんの言っている意味がわからない…」


 ネールは頭の中をぐるぐるさせながら聞いているために爆発しそうになっている。


「要するに、あのラルカは生命を自由にできるということ」


「もっと意味がわかないよ~ルピ」


「う~んと。ネーニャが死んだとしたらどうなる?」


「確かお星さまになる!」


「そうじゃない。死んだら魂になる」


「そうか!!!」


「話し続けるけど、死んだら魂だけになって輪廻転生する。また違う生き物になって蘇ることができるってこと」


「その軸が、あの女になる。俺らも死んだらあの女の好きにさせられる。もしかしたら、俺らは永遠に蘇ることができずにこの大地に戻れない」

ここまで読んでくださりありがとうございます!!

次回も楽しみに

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