リュウドラ
助け出されたエルピオンはライガに抱き着く。助け出してくれた恩と生きていたことにうれしく思う。
「お前らなんとか大丈夫そうだな」
「皆さんのおかげですよ」
最後に助け出されたエデルは足を抑えて膝から倒れるように崩れる。エデルの不調にエルピオンは彼に駆け寄る。
「足が痛いの?!ごめん、私のせいで…」
「エル様のせいではありません。自分が不甲斐ないばかりに」
「エデルくん足を怪我してるんだね。今応急処置用の道具持っているから手当てするね」
黄緑色のおさげな髪型をしている美少女は薬箱から包帯やら止血剤を取り出してくる。器用にそれらを使いエデルのケガを補強していく。
「エデルさん、痛くないですか?」
「大丈夫です。助かります」
「それはよかったです。えっと…」
「エルです。エルピオンといいます」
「エルちゃんは大丈夫?ケガしてない?」
「大丈夫です。エデルが守ってくれたので…」
「そう、それならいいけど…」
「ほかの皆さんは大丈夫なんですか?」
エルピオンは周りを見渡すが、全員見たことのない人ばかりで誰が誰なのかわからない。
「全員大丈夫だよ。俺らはこの小塔が崩壊したとき全員外に放り出されている。そのおかげで小塔の崩壊に巻き込まれなかった」
「それならよかったです。皆さんがご無事で」
エルピオンはほっとしていると全員の表情が曇り始めているのがわかる。恨みを持った瞳、誰かを許せずにいる彼らの姿にエルピオンはどうしようかと考えてしまう。
「ところでなのですが、ライガたちがあの小塔に向かったのは、ラルカの仕業ですか?」
そのことに全員の顔が殺気に満ち溢れている。彼らの表情を見てエルピオンは自分が守ったあの女がすべての黒幕だと思うと許せなく感じる。
「ライガさんたちは、あの女によって、この小塔に閉じ込められたのですか…?」
「そういうことになるね。だけどあの女はまだ俺らが復活したとは思っていない」
「わかるのか?」
黒髪のハイネックパーカーを着た青年はライガに聞く。ライガは頷くと一瞬だけ表情が明るくなるのが感じられる。
「だけど、長い時間隠せるわけじゃないでしょ?いずればれて、何かしら対策を練ってくるはず」
緑色のロング髪の美女は爪を噛みながら考え事をする。しかしエルピオンは周りが誰で、何者なのかわからずに目を回す。
「あの、ライガ!エル様が混乱しているのでまずは自己紹介をしてあげてください!」
「そうだった!せっかく助け出してくれたのに名前も名乗らないのは失礼だな」
彼らは一人一人自己紹介をする。先ほどエデルのけがを治療をしてくれたおさげの子がアルタ。黒髪のハイネックパーカーの青年が闇アルタ。緑髪のロングの美女がアルネ。そして海のように青い髪の双剣を持っているのがカイ。黒いマフラーを身に着けた青年がリュウス。ずっとアルネと一緒にいて赤い髪をしたのがファルーラ。群青色の後ろで髪を束ねている人がベルーラ。大人しそうにしている紫のウルフカットのイケメンがフルーラらしい。
そしてわんちゃんを入れて『リュウドラ』と言われるチームをやっていたらしい。
ここまで読んでくださりありがとうございます!!
次回も楽しみに




