主人の帰還
フォンの言っている意味がよくわからないが、このまま断ればジーナがやられるのは目に見えている。
「わかった、やってみる!!」
『だけど、君の体にかなりの負担がかかる。数日間は眠りっぱなしだが、それでも構わないか?』
「私は、寝ていても誰も何も言わないけど、ジーナさんはこの国の国王だから、あの人を失うよりいいでしょ?」
エルピオンは笑顔を向けるとフォンはこのあと何も言わない。好きにすればいいと言われているような感じがする。意識が現実に戻るとフォンに向けて今持っている力を流して行く。人に向けての能力流しはシュンサクに教わっている。初めはうまくできなかったが、今ではお手のものと言えるほどうまくなった。
体から光の粒子がフォンに向かって行く。体に力が入らなくなり、足から崩れ落ちる。それでもフォンに力を送り続けが、体から力が抜けすぎて、送れる力も残りわずかとなってしまう。
「ーこれじゃ、足りなさすぎる。どうすればいいの⁈ー」
今の自分に悔しさしか出てこない。その時に背中に暖かい手が触れられる感覚が出来る。背後を見ると薄いがビリーとヒュリーの姿が見える。
『僕たちはね、君を守るよ。その子に復活してもらわないと困るから』
『そういうことだ、俺らから力を送ってやるから…そのまま送り続けろ』
「ありがとうございます…!」
エルピオンはもう一度フォンに向けて力を注ぐ。ありふれる力にエルピオンはジーナを助けることだけを考える。二人が離れるとフォンから何かが引きちぎれる音が聞こえる。その音がネーシアにも聞こえているようでジーナを植物で拘束する。
「なんか嫌な予感すると思ったけど…そいつは俺に勝てると思っているのか⁈」
ネーシアは融合魔法でエルピオンとフォンを包み込む。しかし融合魔法は破裂して消え去る。その力にネーシアは初めて表情が変わる。
「なんで…?」
今の状況に理解ができないネーシアは剣を使って瞬足で動く。しかしそのスピードに追いつき彼の刃を受け止める。スマートな顔で刃を受け止めるサルトにネーシアは表情が変わる。今まで自身のスピードに追いついた者はおらず、サルトに恐れ離れる。
「サルトさん…すごい!」
驚いているエルピオンだが、身体の力がうまく入らない。疲れが見えるエルピオンの表情に早めに決着をつけなければならない。
「あんたの相手は、私じゃないの」
サルトは煙のように視界から消え、植物に拘束されているジーナの元へ行く。しかし海面から何かが飛び出してくる。
「あいつは…!」
「ミリア!!!!!」
「俺が落ちただけで死ぬかよ!!!!」
ジーナとサルトを狙うミリアだが、二人を植物が護る。何十にも重なる植物にネーシアは驚きの表情になる。自分の植物と異なる生き物のようなもの。
「おいネーシア!!!何してんだよ⁈」
「俺のじゃない!!!」
ネーシアは光に包まれたフォンを見つめる。光の中からゆっくりと植物が動いている。
「貴様は…何者だ!!!!」
「まさか、俺のことも忘れたのか?ネーシア。お前の心臓をぶち抜いた張本人をよぉ?」
光が消え、銀髪とも言える白髪の男が姿を見せる。全てを白で染めたようなその見た目にエルピオンは神々しいとその一言で表すことができる。
「お前に、家族は奪わせない!!!!」
ここまで読んでくださりありがとうございます!!
次回も楽しみに




