絶望の声
エルピオンたちと合流をしたシルアたちはアーテルスたちがいるあの場所に戻るために坂道を登る。向かっている先にサンデスたちと出会う。
「サンデス…と彼女は…?」
「ヘルズだ!女にされて戻れなくなった」
「意外と美人さんですね」
「うるさい」
「それより早くテルのところに行こう!」
森から出て来るサタンに会う。一瞬驚いたが、ハルルカに回復薬が欲しいと言われ、サルトは回復薬を渡す。すると森からリュウタに似ている魔族が出てくる。
「お前は来るなよ」
「なんだよ?ダメなのか?」
「ダメに決まってるでしょ⁈」
「てか、ルカ重症じゃん!」
「なんとか生きてるから大丈夫よ。あなたたちははやく彼らのところに行ってあげて」
「やっぱりさっきから嫌な予感して仕方がない!!!」
ソラは風を感じながら顔を顰めている。この異様な気配にエルピオンも感じる。アーテルスの元へ走るエルピオンとエデル。その後ろをヘルズたちも向かう。坂を駆け上るとその場所は絶望しかない。
「あれ?もうみんな倒したの?」
平然としているネーシアに怒りしか込み上げてこない。アーテルスの足を引きちぎったのか気を失った状態のまま倒れている。植物の力を使い、意識が朦朧としている悪魔の姿になったヘルガはボソボソと何かを言っている。首が閉まっているため声が出せていない。
「ねぇヘルガ、いい加減俺の使い魔になれよ。テルより俺の方が強いでしょ?」
ネーシアは何かを解いたのかヘルガは声を出す。咳き込みながらだが、声を大きく出す。
「エル!こいつの能力は言霊だ!!!こいつの言葉を聞くな!!!」
「本当に減らない口だな…。その舌要らないよね?」
植物にナイフを持たせてヘルガの舌を切り落とす。口から鮮血が溢れ出しエルピオンの怒りは頂点に達する。エルピオンたちに背を向いているためエデルを武器化させる。その首を切り落とそうと足に力を入れる。すると気を失っていると思っていたアーテルスが動きだし、剣が彼の心臓に突き刺さる。
不意をついたと思うが、ネーシアはあまり気にしていない。剣を抜き取ると傷口は綺麗に無くなる。
「お前に、ヘルガはやらない!」
「本当にめんどくさいね!!早く死んでくれる⁈ほとんど内臓抉れているんだよ⁈」
「そうだな…だけど!絶対に諦めてたまるかよ!!!大事な仲間なんだよ!!!!」
「テル…」
アーテルスは出血する腹部を抑えながら片足だけで立とうとする。しかしバランスが悪く倒れてしまう。
「めんど…俺の相手は別にいるのにさ…」
「別に居る?」
「この場所で、その人を待ってるんだよ。あの戦場で殺したと思ったのに」
「その言い方…まさか貴方もあの場所に」
「居たよ、人類軍に。でもさ、あいつを逃しのはちょっと痛かったな…あの、アデルの生き残り」
「それって…」
エルピオンは背後から異様な気配を感じる。首を切られてしまいそうなこの殺気。振り向くとジーナが見たことのない魔剣を持って現れる。
「お前は、俺が殺す」
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