思い
酷い攻撃の嵐にオリミアは防御をするしかない。
「どう言う力してるの⁈」
「こういう力だよ!!!!逃しはしないぜ!!!」
衝撃波の如く体に直撃する。魔法を使いたくても溜め込む隙を与えてもらえない。身体中の骨が砕ける音が鳴り響く。しかし不死の力のおかげですぐに回復してしまう。このまま戦線離脱したくてたまらないというのに、この体がそれを許さない。
「どうした!俺はまだいけるぞ!!!!」
「ひっ!!!」
体に流れる恐怖に足までもすくむ。心臓を射抜かれリュウタの身体に鮮血の雨が降る。オリミアは存在しない心臓を動かし、咳き込むしかできない。だが自分が連れてきた鬼族を思い出す。きっと近くにいる、すぐに助けが来ると確信している。
「あんたも…これで終わり…!私の仲間が…すぐそこまできてるから」
「その仲間って…こいつらのことか?」
三体の鬼の首が地面に転がる。もう生き絶えた状態の首にオリミアは気が動転しそうになる。オリミアのことを思いついてきて来てくれた仲間たち。こうも簡単にやられてしまった。
「お前ら…!この鬼が!!お前ら魔族に血も涙もないのか⁈」
「はぁ?何言ってんだ?敵が命乞いして、それを助ける人なんているのか?」
「もしくは、必死に抵抗する獣を…そのまま生かすか?」
「っ!!!!」
「それと同じ。それに俺らは魔族だ、悪魔が人には同情しないんだよ」
リュウタは腕を引き抜くとサタンは持っていた金槌で頭部をかち割る。頭の原型が残らずに微かに腕が動くが気にせずにいる。
「こいつ、不死の力持ってるけど、いいのか?」
「こいつのことだろ?」
紅く燃えるような球をリュウタに見せる。いつの間に抜き取ったのだろうかとリュウタは思う。すると森の奥からハルルカを連れた獣状態のシルバスがやってくる。
「悪いな、ついて来てもらって。他にも応援行った方がいいか?」
『構わん、どうせジーナを探さないといけないからな』
「そういえば居なかったな」
『それより彼女、ナルネスに見せた方がいいのでは?この状態はかなり危険だ』
「大丈夫!今きたから」
上空からナルネスはやって来ると早急にハルルカの治癒に当たる。
「驚いたわ、しっかり止血させてる。ただ魔力瓶が空っぽなだけ。誰がやったの?」
ナルネスはサタンとリュウタを見つめる。リュウタは目線をサタンに向ける。本人は目線を外す。見つめ続けるとからの頬から冷や汗が出ている。
「あんた、なんでそんなに自信が無いのかしら」
「黙れ」
「それとさっきから近くにいたけど、リュウタの嫁って誰なの?」
「あ?俺の?隣に居るじゃねーかよ」
その言葉にナルネスは違和感しかない。いくらなんでもサタンなのではない。あのガチムチ男が嫁だとは思えない。
「ナルちゃん、魔族に性別ないよ。覚えてない?」
「それって…」
「どっちでもあるということ、男性器もあるし女性器もあるよ」
「だけど、稀に男性器が無くなることがある//////」
「そうなんだ…てことは…サタンは男の娘なのね」
「そういうことじゃねーよ。女の格好してないだろ」
「意味とか知ってるんだ」
「わんちゃんが持ってる薄い本に書いてあった」
納得せざる終えないナルネスはメモを取り始める。しかしシルバスは今すぐに帰りたいと思ってしまう。
ここまで読んでくださりありがとうございます!!
ここで少し補足、鬼族は私の設定では頭部を破壊しなければ死なないという。首を斬ることにしようかと思いましたが、あるアニメと同じなのでやめました。
次回も楽しみに




