魔族の力
ハルルカを守るためにエルピオンたちを追いかけていたリュウタだが後からナルネスたちも来ていることに気づく。
「あなた一人で孫娘を守れるとは思えないわ」
「ナルネスさん…」
「この様子だとルカたちはかなりバラけているはず。それにこの国にはアスラさんたちがいるから彼らも協力してくれるでしょうね」
「リュウタ、俺らはルカを探すぞ。俺の予知能力が外れて欲しいけど、最悪の場合、ルカが死ぬ」
「サタン…あんたそんなこと言うと予想が的中するからやめて。シニちゃん夫婦と子供たちは共に行動して。私とソラは一緒に行動する。リュウタとサタンはルカを守って」
『了解』
全員が大量に散らばり始める。リュウタは迅速に動き、サタンを置いて行く。ハルルカを見捨てることはできない。幼い時からずっと見てきた子供なのだから。
ハルルカは魔力を使い果たしている状態で動くことができない。稀に動いているためまだ死んでいない。
「君は…鬼族だね」
「そうよ、オリミア…それが私の名前。あんたは?」
「自分はリュウタと申します」
「あなた魔族でしょ?ならネーシアの元で働かn…」
「お断りです!」
リュウタは威圧感たっぷりに答える。リュウタが使える人はソラのみ。彼以外の魔族に仕える気はない。
「なら、ここで死んで!!!」
彼女の強烈な蹴りが入る。しかしあまりの硬さに顔が歪む。オリミアの足蹴りは休む暇を与えない。だが全ての攻撃を簡単に避けられる。
「なんと言う硬さなの⁈」
「もう終わりか?ならこっちも!!!!!」
リュウタは立ち上がったオリミアの顔面めがけて殴りを入れる。鬼族の頑丈な皮膚のためかすり傷程度で済む。
「レディーの顔を殴るなんて…あんた彼女いないでしょ!!!!」
「彼女はいないけど嫁はいるぞ」
「いや居るんかよ!!何にも言わないの⁈」
「喧嘩すると必ず股間狙ってくるから」
「男としてはそれは痛いね…」
気が抜けそうな話に気を取られ間合いに入られる。強烈な殴りに吐き気が出る。よろめきながら後方に引くとハルルカが居なくなっていることに気がつく。
「あの女…!どこに⁈」
「よかった…お前の注意を俺に向けることができた…。こっから本気で行くぜ!!!!」
リュウタは魔族の姿に切り替える。背中から翼が生え、獣の如く爪が長くなり、ヤギのようなツノが生える。リュウタはその豹変ぶりにサタンからも魔族の姿になることを勧められていない。
「は〜〜〜久しぶりだぜ、この姿になるのなんて…!」
歓喜のあまり喜びが溢れてくる。瞳までも赤黒く染まる。
「ちょ…!あんたって…まさか!!!!冗談はやめて!あの戦場でお前は死んだんじゃ!!!」
この恐怖…不安を煽るほどの恐怖。その魔族が生きているはずがない。人間を大量虐殺をしたあの魔族。悪魔の中でも大罪の力を持った者たちが存在する。しかしそのほとんどがあの戦場で死んだ。あれは全て嘘だったのだろうか。
「死んだ?どこの情報だ?俺はあの時から…早く殺したくて殺したくて止められないんだよ!!!!!!!」
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次回も楽しみに




