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あらゆるところから音が聞こえエルピオンは全員が闘っているのがわかる。
「エルちゃん!よそ見しないで!!!」
エルピオンの目の前に涎を垂らした魔獣が襲い掛かる。エルピオンは黒刀を手元で一回転させ一気に薙ぎ払う。バラバラになった魔獣の体液をかぶりながらも次々に倒して行く。
「お見事。すごいね」
「ダン、あんた今日はなんか調子がいいね」
「そう?エルちゃんと一緒だからかな?」
ダンゲルは鎖の力も使いながら薙ぎ払って行く。フォンはダンの頭の上に必死に捕まっている。振り回されるが筋力は強いように感じる。
『エル様!魔獣を操っているものが来ます!!!』
「了解!!みんなが頑張ってるもん、私も頑張らないとね!!!!テルたちと共にリオン国に行くんだもん!!!!」
ゆっくりやってきた翼を広げた男はエルピオンたちの前に降り立つ。その姿は褐色肌に銀色に近い灰髪に白眼が黒くなっている赤目。その見た目に身体から警戒音が出る。
「こいつは…魔族⁈」
『ちょっとまずいですね…!いやかなりやばいです』
「エデルがそういうと無茶苦茶怖いんだけど」
「おや?今エデルと言いましたか?」
「えっ?」
彼に瞬時にエルピオンの目の前に姿を見せる。彼は強烈な腹パンをするとエルピオンからエデルを引き剥がす。
「がはっ!!!!!」
「エルちゃん!!」『エル様!!!!』
エデルは変身が解けると彼に首を絞められる。なんとか足が届く範囲でぶら下げられうまく息が吸えない。
「我が知らぬ間に復活していたとは…知りもしなかったぞ。エデル」
「貴様なんかに…知られなくなかったな…がはっ!」
彼はエデルのことを知っているらしく強くエデルの首を絞める。エデルは反撃をするように足蹴りをし、彼から引き剥がす。蹴られた彼はよろめき、頭部から血が垂れていく。
「いつからそんなにヤンチャになったんだよ、エデル…いや?エミリア?」
「貴様にその名前で呼ばれたくない!!!!!!」
珍しく感情を見せるエデルにダンゲルはタジタジ。
「エデル…こいつのこと知ってるの?」
「こいつは…自分がまだ封印される前に居た魔界の空中監獄の犯罪者の…ミリアです」
「オレのこと覚えていてくれたのか⁈やっぱりオレらは繋がる運命なんだよ!!オレの武器として来い!!!」
「断る!!!俺は、ゼルネアス様と同じ血を持つ者の武器として生きる!!貴様なんかに使われるぐらいなら死んだほうがマシだ!!!」
エデルは黒刀を生み出しミリアと剣を混じり合わせる。しかし彼も同じような強者。勝てる保証は無い。彼に勝たなければこの先が不安になる。できる限りのことをやらなければならない。
ここまで読んでくださりありがとうございます!!
次回も楽しみに




