逃走
よろしくお願いします
この勝負に勝ったと思っていたが、ヘルズの敗北に頭にきていた国王が兵士に指示を出す。
「お前ら!こいつらを殺してしまえ!貴族をバカにする不届き者たちに苦しい死刑を!!」
「は、はい!」
兵士達はぞろぞろと槍を構えてやってくる。彼らはすぐにエルピオン達を取り囲む。
「サンデス!!」
「いいのか?」
「構わん。どうせ、抜けるつもりだったからさ」
「あっそ。なら俺もお前に賛成するよ」
サンデスはヘルズから離れて、剣を抜く。
「行っくぜ!雷の怒り!!」
サンデスは雷を全兵士に落雷させる。突然の雷に、全員が驚く。青く輝く雷はまるで神の雷。
「すごい…」
エルピオンは思わず感心する。あんなに綺麗な雷は今までに見たことの無い。
「感心してるなよ。君たちは逃げなくっちゃ。ここの国王、面倒臭いからね」
「それもそうだな。エル達、君たちは逃げなさい。後これ、魔王城までの行き方を書いた地図だ。これを持って早くここを出なさい」
グルテスはエルピオンに地図を渡して、逃げるように指示を出す。
「ありがとうございます!ルカ行こう!」
「ええ!」
二人は出口に向かって走り出す。
「逃がすな!国民たちよ!捕まえてくれ」
国王は国民までにも呼びかける。
だが、国民たちは金色の鎖によって動きが止まる。
「ダン!」
エルピオンは包帯に巻かれているダンゲルを見る。
「行きな!必ず魔王を倒してこい!」
国民たちを動かないように押さえつけててくれるダンゲル。その顔には笑顔が輝いている。二人は彼らを後にして、国を出る。
◆❖◇◇❖◆
エルピオン達はハルルカの空間魔法によって遠く離れた場所に飛ぶ。
「ルカありがとう。助かったよ」
「構わないわ。後、あの騎士王ヘルズの事なんだけど」
「なんだい?」
「私、彼とサンデスって人に会ったことがあるみたい」
「そうなの?」
「ええ、あの人たち、昔私のことを馬鹿にしてたの。私昔パーティーがいたの。そのリーダーが貴女と同じリオン国出身なの。それでね、私がバカにされたことを話したらむっちゃクチャ怒ってあのヘルズって人に勝ったの。『うちの仲間をバカにするな!!』って」
「もしかして、あのサンデスって人が怒ったのって…」
「私をバカにしたことを覚えていて、同じことを言っていたあの者が許せなかったのかもしれない。もう二度とバカにしないって」
「そう考えると、あいつら意外といい奴らなのかもしれないね」
エルピオンは小さく見える城を見る。
「ええ、また会えたらお礼を言わなければね」
二人は魔王を倒したらのことを考える。彼らのお陰で魔王を倒しに行けるのだから。
「急ごう。魔王の元まですぐそこだ」
エルピオンは坂道を下って行く。その後をハルルカはかけて行く。
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