魔獣
近くとは聞いていたが、未だに橋すら見えてこない。おまけに海も見えてこない。暗くなり、ハルルカにあのテントを張ってもらう。その間にエルピオンたちは魔獣を狩りに向かう。
「今日はかなり寒いですね。温かいスープが欲しいです」
「そうですね。エル様たちは獲物を取れましたでしょうか?」
すると外から物音が鳴り、エルピオンたちが帰ってきた音が鳴る。
「帰ってきましたね。私出迎えてきます」
ハルルカは玄関まで行くと開ける手をエデルが押さえる。突然のことにハルルカはギョッとしてしまう。
「今開けない方がいいです。自分が代わりに出るので、リビングで待機していてください」
笑顔で言うエデルの表情に違和感を覚えるが、頷くことしかできない。彼から出る寒気なのか、外の空気の寒気なのかわからなくなる。奥に戻るハルルカを見送るとエデルの表情が一気に真顔になる。
「どうやら、めんどくさい奴らが来たみたいだな」
外に出ると冷たい空気が流れている。遠くの方で獣の唸る声が聞こえてくる。
「どうやら、出てくるタイミングをミスったようですね。あなたたちのようなものは、ここで死んでもらう…!!」
エデルは漆黒の翼を生み出し、人の姿から魔物のような姿に変貌する。手は鷲のように鋭い爪を生やし牙が生え、ヤギのような角が生み出される。その姿に恐れているのかエデルから距離を取る。
「どっからでも来な。返り討ちにしてやる」
狼の遠吠えが聞こえると一気に魔物が襲い始める。それも数匹では無く、数十匹の群れが一気に襲う。エデルはそれでも不敵に笑う。
遠くの林の中でエルピオンたちは食材になりそうな獣を狩り続ける。しかし寒くなったエルピオンはくしゃみをする。
「寒ーーーーーい!!!!!!!こんなに寒くなるなんて…!」
「俺の上着貸すから。しっかし、えらい寒くなったな」
シュンサクは分厚めの上着をエルピオンに渡す。凍えるような寒さに全員が寒さに耐える。
「雪でも降りそうだね〜」
白息が出るサンデスは空を見上げる。夜空には雲は見えない。
「でも、こんな猛獣がいるなんて、思ってもいなかったな」
「確かにな…。皮が剥かれたじゃがいもが付いた『ポテト・ドラゴン』。実物を見るのは初めてだ」
「これ食べれるの?」
「あぁ、焼き料理もいいし、煮込み料理にももってこいだ。揚げ料理もうまいぞ」
ヘルズはにっこり笑う。彼の頬が緩むぐらいの美味だと感じると腹が鳴る。その音にダンゲルは大笑いをする。
「エルちゃんすごいお腹の音!!!これは早く帰ってエデルくんに作ってもらわないとね」
大量の獣を持ってエルピオンたちはハルルカのテントまで向かう。近くまで来ると血液の臭いが鼻を掠める。鼻が曲がりそうな強烈な臭いに苦痛の表情をする。
「なんだこの臭いは!!!」
「これは、獣の匂い…。まさかテントが襲われたのか⁈」
アーテルスの言葉に驚いたエルピオンたちは急いでテントまで戻る。ハルルカたちに被害が無いかと不安になる。
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次回も楽しみに




