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進むために

 教会から戻ってくるとダンゲルに対して全員が不満を爆発させる。しかしたいして怒っているわけではないためすぐに収まる。


「ルカ、そしてエルピオン殿…ありがとうございました」


「そんなことありません。ほとんでルカが頑張ってくれたおかげですので」


「そんなことありません!私は、自分がやれることをしただけですので」


 照れ隠しをするようにハルルカは帽子を深く被る。


「次に向かわれるのでしたら、カルデロン国に向かわれてはいかがでしょうか?最近文明開化をし、この国から少し離れた場所に巨大な大橋があります。その橋は唯一のカルデロン国を結ぶ橋です」


「もしかしたらなにかあるかもしれないね」


「行ってみようよ!!!!」


 サンデスは嬉しそうにエルピオンに言う。エルピオンも頷きその国に向かうことにする。国王たちと別れカルデロン国へ向かう。


 ◆❖◇◇❖◆


 カルデロン国に向かう道中、その国のパンフレットを配る商人から一部貰い、エルピオンはそれをじっくり見つめる。


「へぇ〜この国…島国なんだ…。そんでもって国王は元冒険者…」


「なんだ、それもらったのか」


「うん、なんか気になってね」


 エルピオンはエデルがナルネスの屋敷で作ったクッキーをつまみながら食べていると白キツネは欲しそうに見つめてくる。


「なに?食べたいの?」


『キュ〜〜〜ン!!!』


「いいよ、確か味がついていないのがあるから…」


 エルピオンは袋からクッキーを取り出すとキツネはそれを頬張る。嬉しそうに食べるキツネに愛らしさが感じる。


「そういえば、このキツネ名前決めてないな。なんて名前にしよう?」


「シロちゃんは⁈可愛くない?」


「普通すぎない??」


「最終的につれてきてしまったが、よかったのか?」


 あまり乗る気になれないヘルズは水を飲みながら聞いてくる。


「いいでしょ?どうせ誰かのペットじゃないんだし」


 国王たちにこのキツネのことを聞いてみたが、誰も知らないらしい。エルフのペットではない上に、森にいた獣たちにさえ嫌われて いる様子。このまま野に帰したところで殺されるのが感じられる。しかし大神祭様はこの獣が神の使いなのではと言われたため、このままダンゲルのペットとしてつれて行くしかない。


「そう言うことを聞いているんじゃ… まぁいいか」


 何かを口にしようとしたがすぐに止める。しかしヘルズの目線は別の人物に向ける。


「それより、あんた大丈夫か?」


 ヘルズは少し心配そうに青ざめた状態で震えるアーテルスを見つめる。彼は何かを恐れているのがわかるが、それがなんなのかはわからない。


「かなり青ざめていますが、少し休憩しますか??」


 ヘルガはアーテルスに聞くが、彼は別のものを指差す。


「そのキツネ…そのままその辺にいさせろよ…。絶っっっっっっっ対にこっちに寄せるなよ…!」


 キツネにはそのことがわからないためアーテルスに駆け寄る。彼は聞いたことのない絶叫をあげて馬車から転げ落ちる。ゆっくりと走っているためすぐに止まることができる。


『大丈夫ですか⁈』


「だからこっちに寄せるな!!!」


 泣き目をするアーテルスにエルピオンは感づく。


「もしかして、キツネ苦手なの?」


「そうだよ!! わかってくれ!!」


 その姿にヘルガも意外そうな表情をしている。どうやら彼もそのことについて知らない様子だった。

ここまで読んでくださりありがとうございます!!

次回も楽しみに

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