夜明け
夜明けが近づく中、ハルルカは全力で上空を飛ぶ。集合場所はこの森で一番大きい精霊大樹、そしてこの森の守り神ーマクシュアーの元。その場所に一刻も早く到着したい。
「急がないと…!!!」
「行かせない!!!」
「ごめんね、通らせてもらうよ!!!!」
叩き落とすようにセイジは踵落としをする。しかし倒しても倒しても妖精族は出てくる。
「このまま殺さないで行くのは難しいね…」
「セイジさん!!!約束しましたよね????!!!!!」
ラビリンスを持って移動しようとした時、セイジはある助言をしていた。
『ルカちゃん、たぶんだけど…このまま夜明けまでに彼らが行かせてくれるとは限らない。だから妖精族は全力で止めに入ると思う。だから、少しばかり殺しておいた方がいいんじゃないかな???』
『だめです…』
ハルルカは真っ直ぐな瞳でセイジを見つめる。
『ここに居る妖精族はみんな、主人がいなくて暴走しているだけです!そんな彼らを殺すなんてできません!!それに彼らは人間恨んでいます。そんなことをすれば、彼らは余計敵対します!!』
『確かにその気持ちはわかる、だけど…』
何かを言いかけたセイジだが、すぐに口を紡ぐ。何かを言いたかったと思うが、今この場で言えないことだと思う。
『お願いします。妖精族を殺さないでください』
ハルルカの真剣な瞳にセイジは頭を強く掻き自らの足を強く叩く。
『わかったよ!殺さない。だけど身の危険が迫ったら、覚悟して』
ハルルカとの約束に同意したセイジだが、少しだけ嫌そうな顔をする。初めは優しそうな人だと思っていたが、徐々に本心を見せて来る。上空を冷たい風が体に染みるが、急がなければと思ってしまう。
◆❖◇◇❖◆
精霊大樹マクシュアの前では妖精族が集まっている。先に戻ってきていたサネックとアンテはニヤニヤしながら待ち続けている。
「もう夜明けです。そろそろどちらが妖精王にふさわしいか決めましょう」
「そうですね。マクシュア様、判定をお願いします」
二人の問いかけに妖精大樹は答えない。すると上空からハルルカが姿を見せる。
「私たちも、ラビリンスを持ってきました…」
美しく光るラビリンスを見て、サネックとアンテは憎たらしくハルルカを見つめる。するとマクシュアはアンテとサネックが持っているラビリンスを掴む。するとそのエキスを二人の腕にかける。すると酷い湿疹が出来上がる。
痛みと痒みに襲われる二人を見てハルルカはラビリンスモドキを思い出す。
「もしかして、あの時のあの花は…」
『両者が持ってきたものは、ラビリンスモドキ。それもわからないでは、王になる資格もない』
ハルルカが持っている花を見るとマクシュアはにっこりと笑う。
『間違いはない、これこそ本物のラビリンスじゃ。しかし、この辺ではラビリンスは見つかっておらん。お嬢さん、この花をどこで…』
「その花はこの、僕が与えたものです!!」
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次回も楽しみに




