魔法学校
巨大な教会までやってくると唐揚げ棒を口にしているエルピオンと満腹で苦しそうにしているネールが座り込んでシュンサクたちを待っている。
「どうも」
「お前ら…大丈夫か?」
「私は大丈夫だけど、ネーニャは…」
「もう食べれない…」
「全制覇しようとするからだ!自分の体の体型を考えろ!」
「だって…」
「少し休憩したら登りましょう。有料ですがケーブルカーもあります」
「こういうのは、自分で歩いて登るのが楽しいと思うよ!」
エルピオンは唐揚げ棒を食べ終え、ゴミを捨てて階段を登り始める。シュンサクたちも後を追いかけるように登り始める。
◆❖◇◇❖◆
全てを白く塗られたこの教会のような宮殿は大魔女が作り出したと言われている。その魔女は大量の悪魔と契約を果たし、彼らと安全に暮らせるようにとこの国を立ち上げた。しかし多くの魔族は大魔女の手を離れて自分たち独自の国を作ったらしい。
「ルカのその話を聞くと俺たちが、その大魔女の手から離れた魔族と言えるな」
「そうだね、でも、何で離れたんだろう?このまま居ればよかったのに」
「これは、自分の憶測ですが、人間に迫害を受けたんじゃないでしょうか?」
「人間から?」
「えぇ、魔女は人間でも、魔族は魔物。共に暮らせないため、攻め込んだ人間軍が追い払ったのでは無いでしょうか?」
「その説はありえそうだな。昔まで戦争をやってたぐらいだから、そのぐらいしていても間違っては意なさそうだな」
「みんな〜早く早く!!!」
子供のようにはしゃぐエルピオンを見てシュンサクは少しだけ笑う。
「今行くから待ってろ!!!!」
エルピオンは嬉しそうにしており、昔に戻った気分。先に頂上に到着したエルピオンは王宮から街を見渡す。多くの林が町を守るように形成され、生き生きしているように感じられる。この場所から自由の風が流れ込んでくる。
「この場所…何だか懐かしく感じる。私はこれを望んでるのかな?」
「望んでいるんじゃなくて…誰か望みを叶えたいんじゃないの〜?」
エルピオンは驚き背後蹴りを繰り出してしまう。蹴り倒した彼は無様に倒れ込む。やってしまったエルピオンは思わず駆け寄る。
「ごめん!!って…ダン⁈」
「エル…酷いよ〜〜〜…」
「エル、何かあったか?」
「あ、師匠…」
不安そうな目をするエルピオンは倒れ込んでいるダンを見つけると嫌そうな顔をする。
「ダン…お前うちのエルに何した?」
「俺のことは心配してくれないの⁈」
「お前がどうなろうがどうでもいい」
「ひどい!」
◆❖◇◇❖◆
全員が登り終え、ダンゲルとの再会に少し嬉しいような嬉しく無いような不思議な感覚になる。
「何だよその感じ…なんか思よ…」
「ところでダンはどうやってこの場所に来たの?」
「ん?俺は、この国に商品を運ぶ商人の護衛としてこの国に入ったよ。対価をもらったから少し休憩してからまた魍魎共同組合組織に戻るつもりだよ。その前にこの国の国王様にいろいろ報告しないといけないことがあるからね」
「私たちもここの国王様に用があるんだ。暇ならまた手を貸してくれない?」
「もちろんいいよ。だけど、今この国でまずいことが起こったらしいから、今すぐには国王様に会えないよ」
「何だと⁈」
ここまで読んでくださりありがとうございます!!
次回も楽しみに




