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次の国へ

 アデルの一族と別れた後、エルピオンたちは次の国へと旅立つことにする。エデルは少しすっきりしたようで位置も異常に元気に感じる。


「それで、次の国はどこなの?」


「マルジリック国だ。魔導師の国とも言われている」


「その国に行くのはいいけど…何で俺たちも行くの????」


 共に向かったサンデスとヘルズは不満そうな顔を見せる。ルービック国で別れるはずだったがエルピオンが無理やり連れてきた。


「当たり前じゃん。これから一緒に旅をしようよ」


「悪いが俺たちを降ろしてくれ。今君たちとは一緒にいられない」


「私が嫌だからだめ」


「何だそのルールは⁈俺は降ろせと言っているんだ!人の話を聞け!」


「でも、ヘルズたち、…兵士たちに追われてなかった?」


 エルピオンが彼らを見つけた時、数人の兵士たちに追われていた。悪いことをしたように見えないのにルービック国の兵士に追われていた。助けたといえばそう見えるが、逃亡を手助けしたのと同じような原理。ヘルズは少しだけ目を逸らす。


「それは…」


「何かの犯罪に巻き込まれたのですか?」


「そう言うわけじゃないが…」


「俺たち、兵士を辞めたことに勘付いているだろうけど…。その国に封印されていた短剣を持ち去ったんだよね。それだけだったらまだいいんだけど…」


 気まずそうに話すサンデスはエルピオンたちを見つめる。


「その短剣…どうやらこの世界の王に五年に一度返納する神具だったらしく、持ち去ったりしたら神のおもちゃにされるらしい」


 ヘルズは申し訳なさそうに言う。そのことを知ったアーテルスたちは焦った顔をする。


「それって…」


「手助けした俺らも…」


「犯罪者だな」


 帆馬車の中は焦りに揺れ動く。


「でもそれって…私たちが返すのはダメなの?」


 エルピオンの何気ない答えにハルルカたちは詰め寄る。


「これはこの世界の王様の持ち物なんだよ?私たちのような一般市民が返してもその場で殺されるぐらいなんだよ???わかっていってるの⁈」


 ものすごい怖い形相でハルルカはエルピオンに詰め寄る。エルピオンは苦笑いをするが、エデルは笑って応える。


『いいのではないでしょうか?どうせ返せばいいのですから』


「きっと世界の王も許してくれるよ。少しだけ借りて返せばいいんだから」


「そんなこと言っても…」


『あの…ルカさん』


「何でしょうか?」


『マルジリック国には、どうやっていけばいいのでしょうか??』


 何もない草原を見つめるエデルはハルルカに訊く。確かに周りは何もない草原。どこにマルジリック国はどこにあるのだろうか。


「あ、今()()を作ります。少し待っていてください」


 ハルルカはそう言うと呪文を唱える。


知らずの扉よ(アルサーメン・テンコ)姿を見せよ(カルベン・ネネット)!!!」


 呪文を唱えると異空間の扉が開かれる。


「エデルさんこのまま進んで下さい。通り抜けることができるはずです」


『わかりました。では行きます』

ここまで読んでくださりありがとうございます!!

次回も楽しみに

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