己の力
ラルカを守るために奮闘するシュンサクたち。技を連発しているため、体力の限界が近くなる。
「シュンさん!もう限界です!!」
「エルが戻るまで耐えろ!あいつなら何かできるはずだ!」
「そう言っても限界だ!お前も体力の限界だろ⁈」
ウルベルトの言葉に図星をつかれるが、まだ残っている体力で電気技を発動するが突然電池切れになるように力が発動しない。
「こんな時に…!」
「シュンさん!!!」
アーテルスが声を上げると三人の男が剣を振り下ろす。切られることに覚悟するが、黒い壁がシュンサクを庇う。それを見て彼らは怯み始める。
「これは…」
「私の師匠に何してるの!!!!」
壁は彼らを吹き飛ばすと壁がエルピオンの姿に変化する。それを見て全員に勝機が見える。
「エル…よく戻ってきたな」
シュンサクを見てエルピオンは笑顔になる。大事に思っている人たちの元へ帰ることができ、共に戦うことができる。それだけでこんなに嬉しいことはない。
「ただいま!」
今のエルピオンにはこのぐらいの言葉しか出ない。エデルと目が合い、アイコンタクトをとる。エデルは笑顔で頷きエルピオンの元へ行く。武器化をし、黒刀になるとエルピオンの中で何かが目覚めるような気配がある。水滴が水溜りに落ちるようなそんな気配。
彼らを見つめると体の一部が光っているように見えてくる。彼らの動きすら遅く感じる。
あっさり避けると光っている部分を切り込むと黒い蒸気となって消える。そのことに全員が驚きに満ちてくる。
「これは…一体」
「もしかして…これが弱点⁈」
エルピオンの中で勝機が見える。シュンサクたちを見るが、彼らには見えていない上にもうボロボロ。彼らを倒す前に先に死が来てしまう。エルピオンは願うようにあの時会えたアデルの一族を思う。
「ーアデルの一族の人…どうか私に力を貸して!!!!!ー」
『ーエルちゃん、彼らの弱点…わかったかな?ー』
「ー彼らの体にある光っている場所です!そこを斬れば黒い煙になって消えました!!!ー」
「俺らそれが知りたかったんだよね」
「えっ?」
エルピオンが目を開けるとヒュリーが目の前に立っている。そのことに驚き思わず目を擦る。
「目擦ったらダメだよ!赤くなっちゃうよ!」
「いつからいましたか?」
「今だ」
「ちょうど今来たんだよ〜?気づかなかった?」
「弱点見つけてくれてありがとう。あとは俺たちに任せろ!」
その言葉が号令のようにアデルの一族が動き出す。
「みなさん!」
「アデルの一族の力、とくと見せてやる!」
「何年ぶりだろうな…世界の空気を味わうのは…」
ゼルネアスが空気に浸っていると彼らは問答無用に襲いかかる。しかしそれを全て黒い鎖が取り押さえる。その鎖に絡まる彼らはゼルネアスを見て怖気づく。
「懐かしいだろ?これを使ってお前らを殺しまくった俺の姿を。お前らに大切なものを失った。今度はこちらの番だ!」
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次回も楽しみに




