ゲーム
ハルの力を見たエルピオンはハルとハルタの姿を視野に入れる。二人は微笑んでいるのがわかる。
「ハルさんは…優しいですもんね」
「そう、ハルには出来なかったことを、ハルタは行えるから」
全てのものを破壊し尽くすハルタは突然歩みを止めてしまう。口からたくさんの血を吐き、その場に倒れる。
「あれ、何があったの…?!」
「ハルの心臓は、ハルタとは合っていなかったんだ…。適正なドナーじゃ無かったから…」
そのまま死を受け入れるハルタはハルと共に死んで行く。そっと近づいてきたハルと目を合わせると嬉しそうにしている。
「あの子以来だよ!僕たちと会話できるの」
「あの子?」
「この場所に居ないやつのことさ。安心しろ、どうせ会える」
そう言われるとヒュリーはエルピオンを連れて別の場所に移動する。その後ろをビリーは着いてくる。着いた場所はたくさんのゲームがあるゲームセンター。ひとつの台に人だかりができている。
「急にハイテクになりましたね」
「気にするな。あ、あそこにいるな」
「え?」
人だかりの奥に一人の男がガタガタやりながらゲームをしている。画面では格闘ゲームのような感じ。
彼の画面に『You WINNER!!』が表示されると周りからどよめきと歓声が上がる。彼の口には棒付きの飴玉が見える。
「あの人は…」
「アデルの一族、ハルの次の人間…サムだ」
彼は疲れているのか体を伸ばす。すると一人のライムグリーン色の髪をした青年が近寄って彼の名を呼ぶ。サムは嬉しそうに彼のことを『マロ』と呼び、駆け寄ってくる。その時に彼らからどよめきの声を上げる。
「あの人たちは…」
「サムは…元々捨て子で母親の名前を知らない。しかしゲームで金を稼いできた。そして今の彼らを『SM』と呼ばれている」
彼らを生き方を見続けるエルピオンたち。しかしある悲劇が起こってしまう。誰かの悪口なのだろうと思うが、どうやら『マロがチートをしてサムを勝たせている』とアンチコメントを打ったよう。
もちろんマロはそんなことをしていない。それだと言うのに、それは鬼のように拡散され、彼らはゲームの世界から追い出されそうにまでなってしまった。
「酷い…」
「それがこの世界の掟なのだろう…」
マロは苦しさのあまりネットを使ってとある廃ビルで自殺をすると公表する。それに乗ったネット民はその場所に行き、動画を撮り始める。
「人の死を…自分たちが有名になるために写すなんて…!許せない!」
マロはそのまま飛び降り、自分の死を見せる。地面には彼の血液、肉片が散乱。グロテスク過ぎるが、この行為は自分も行っているもの。何も言えない。
彼が死んだことにより、サムは生きる希望が見えないため、同じように飛び降り自殺。それによりその場所が閉ざされる。
「これが…サムさんの…」
「サムのアデルの力は『ゲーマー』さ。ゲームのように相手の動きを感知する。まぁ戦略という言い方もあるね」
「そうだね〜」
飴玉を口に加えたサムは姿を見せる。その後ろにマロの姿も。
「はじめまして〜エルちゃん♡僕がサムだよ」
「ついでにマロだ。よろしく」
「どうも」
「ところで、なんでこんなことしてるの〜?」
「彼女の本来の力が発動しない。きっとアデルの力が上手く働いていないと思う」
「そういうこと?僕もなにか出来たらいいんだけどね〜」
「確かに、詮索してみようか?」
「心配いらない。きっとこの後で何かあるはずだ」
「次に行こっか、エルちゃん」
「はい!」
ここまで読んでくださりありがとうございます!
次回もお楽しみに!




