祖先の者たち
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ヒュリーについて行くと、彼と少し似た青年が待っている。
「あ、兄ちゃ〜ん」
「こいつが俺の弟、ビリーだ」
「よろしくね」
「こいつはエルピオン、俺らの子孫だ」
「お!それはいいね」
「こいつに、祖先のことを伝えようと思う。いいか?」
「いいと思うよ」
ビリーはにこにこしながら答える。顔は似ているが、性格が正反対な兄弟。父とは少し違う感じ。
「さて、まずは先代アデルと言われてる、僕の息子に会いに行こうね」
瞬時に移動をすると森の中で降り立つ。まるで本当に本当にその場にいるかのように。
「エルちゃん、見える?あそこにいる大男」
エルピオンの目線の先に、家から出てくる一人の大男の姿がある。
「彼がアデル。先代アデルとも言われてるよ」
「あの人が…」
アデルは家に居る家族に手を振り、山へ出掛けていく。
「どこに行くの?」
「ついて行くよ」
アデルについて行くと大きな山犬がアデルに威嚇する。アデルは不敵に笑い、大剣を手に取る。気配に気づけず音速で山犬の首を掻き切る。首だけが宙に浮き、簡単に倒してしまう。
「すごい速さ…斬るスピードが見えなかった」
「それが彼のすごいところさ」
「それを『アデルの力』と言われてるよ。普通に言えば、僕の力が一人一人に渡っただけなんだけどね」
「そうなんだ…」
「この時は、まだおかしなことは無かったんだ…。少し、時間を移動する」
エルピオンたちはまた少しだけ時間を移動する。するとアデルの家に村人と兵士が押し寄せて来ている。
「何が起きてるの?!」
「アデルのあの強さに恐れてる村人は彼を人間を殺した悪魔だと嘘をついて、彼を殺すように兵士を連れてきたんだ」
「人間を殺したなんて…!やってないじゃん!」
「そうなんだよね。彼は村を守っていただけなのにね」
「どういうこと?」
「先程見た山犬、あれは村を襲い、捕食していたんだよ」
「山犬に襲われないようにしていたヒーローを、村人は殺してしまうんだね」
「そういうことさ」
アデルは処刑台に乗せられ、斧で首を斬り落とされる。思わずエルピオンは目を逸らしてしまう。今の状況は、自分でも行っているものなのに、何故か目を逸らしてしまう。
「大丈夫?怖かったね」
目を開けるとビリーが見つめてくる。
「いえ、今の…自分でも行っているのに、目を逸らしてしまっただけです」
「その反応が、普通なんだよ」
後ろを振り返ると先程見ていたアデル本人が姿を見せる。
「あ!アデルだ〜!」
「親父たちは何してんの?女の子連れ回して」
「俺らの子孫だ。エルピオンという」
「そうか。お前から闇の力が感じられるのはそのせいか?」
「かもしれないよ」
「親父でも分からないのかよ」
「うん!」
元気よく答えるビリーにアデルはため息が出る。
「そうだ!エルちゃん!」
「はい!」
「こんな感じの、まだまだ続くけど…見る勇気ある?」
強制されない言葉に、エルピオンは帰りたい気持ちがあるが、このまま帰ったとしても、死んでしまうだけ。エルピオンはただ、闇の力を上手く使いこなしたい。
「進むよ。闇の力の原点を知るまでは…!」
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