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純白のドラゴン

 爆発した勢いで砂埃が立つ。その砂埃の中からエルピオンが姿を見せる。身体中が黒くなったエルピオンだがあらゆる場所から出血する。口からも目からも血が溢れだしている。


「勝ったの…かな……?」


 力を失ったエルピオンはその場に倒れる。黒くなっていた部分はエルピオンの肌の色に戻り、ひび割れていた顔からは出血している。

 神社の周りにいる猛獣たちはエルピオンを見つめる。今のエルピオンは彼らの捕食対象。弱っている彼女は今では絶好の食べやすい状態だ。今なら抵抗されずに捕食できる。


 しかし、誰も彼女には近づかない。すると一頭の森林熊(デディヤ)がエルピオンに近づく。エルピオンの体の匂いを嗅ぐ。彼女はそれでも立ち上がることも無い。森林熊(デディヤ)はエルピオンの腕に噛み付く。

 すると空から純白のドラゴンが姿を見せる。それを見た森林熊(デディヤ)は恐れて後退りをする。

 純白のドラゴンは静かにエルピオンを見つめる。息絶えたかのように風になびいてるその姿を見つめ続けている。

 そして純白のドラゴンは吠え、森林熊(デディヤ)に威嚇する。やつでもこのドラゴンには勝てない。気配で分かる。このドラゴンは火山龍(ヘルメルドラゴン)の長。

 彼らは本来火山のような赤い体をしている。しかし、長になるドラゴンは赤ではなく、純白のドラゴンとして産まれる。


 純白の火山龍(ヘルメルドラゴン)は倒れているエルピオンを見つめ、口に咥え持ち上げる。しかし、食べる事はしない。ドラゴンは地面に落ちている鏡の破片を見つめる。それを触手を使って持ち上げる。それと一緒に黒い剣も拾う。

 それを持って羽を広げ、上空に飛び立つ。上空と飛んでいる時、朝日が昇る。朝日に照らされて、ドラゴンの体は虹色に光り輝く。


 薄らと気がついたエルピオンはドラゴンに運ばれていることに気づく。なぜ自分がドラゴンに運ばれているのか分からない。だからといって暴れる力も残っていない。エルピオンは大人しく眠ることにする。しかしそれは眠ると言うより気を失う状態。体は完璧に戻った訳では無い。片目の眼球は潰されたまま。もう、光を見ることは無いだろう。

 気を失ったエルピオンを見て、火山龍(ヘルメルドラゴン)は大急ぎで移動する。エルピオンの負担にならない程度に。


 ◆❖◇◇❖◆


 魍魎共同組合組織のホテルの前でハルルカ、ネール、アーテルスはエルピオンとシュンサクが居ないことに不安な気持ちでいっぱいになる。


「選ばれたのは…エルちゃんだけだったとはね」


 空を見上げるダンゲルにハルルカは声を上げる。


「なんでわかるんですか?!エルが選ばれたなんて…それじゃあシュンさんは一体どこに行ったんですか!」


「最近わかったことなんだけど…」


「なんですか?!」

ここまで読んでくださりありがとうございます!

次回もお楽しみに

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