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ギルド

 花魁道中を見ている人が多いため、街並みはとても静かになっている。そのおかげでか、魍魎共同組合組織をすぐに見つけることが出来た。


「懐かしいな…この組合…。最近行かなくなったから懐かしく感じるよ」


「こちらの魍魎共同組合組織はホテル形式なんですね」


「それは私も知らなかった。全部が全部、役所みたいなところじゃないからね」


 エルピオンたちは魍魎協同組合組織の中に入る。中では冒険者がわんさかいる。その中で一人だけスタッフと話をしている男に目が止まる。


「あんた、ダンじゃないか?!」


 彼は振り向くとその姿はダンゲルそのものだった。


「あれ〜!エルちゃんだ!すごい久しぶりだね〜!」


 笑顔を見せるダンゲルにエルピオンはほっとする。彼がいなければエルピオンたちは逃げられなかったのでは無いのかと思う。

 エルピオンはシュンサク達にダンゲルのことを話す。ダンゲルのおかげで救われたことも。


「なるほど…どうやらエルたちが世話になったらしいな。礼を言うよ」


「エルちゃんのお師匠さん、結構顔が良くてムカつくけどな…」


「師匠の顔の良さは私も知らなかったよ…ところでダンはここで何してるの?依頼待ち?」


「違うよ?」


「まさか…スタッフと話をするためにここに来てるのか?!」


「それも違う…俺は新月を待ってるの」


『新月?』


 エルピオンたちは口を揃えて言う。新月の夜はとても暗く、見晴らしが悪い。そんな時間を待っているダンゲルがエルピオンは分からない。


「新月の夜に何かあるのか?」


「新月の時は月の光で出てこない魔獣が居るんだ。俺はただそれの討伐。ここを管理してるお偉いさんが依頼してきたんだ」


「そうなんだ。ところで聞きたいけど…この国の噂や都市伝説とか知らない?」


「都市伝説?とかはわかんないけど噂なら知ってるよ」


「まじ!少し話を聞かせて!」


「いいよ。なんでもこの国のどこかに神社があってそこで深夜二時に一人で訪れ、鳥居を潜って賽銭を入れて二拍手一礼をして帰る時、とある童歌を歌うと何かが起こると言う噂。だけど…それは誰に聞いても何が起こるのは知らないらしいんだ…」


「誰も知らないの?本当に?」


「うん。多くのヤツらが死んだって話だよ」


「その、童歌とは…どのようなものなんだ?」


「それがね。誰も教えてくれないんだ、多くのヤツらが死んでるから面白半分でやるやつがいるんだよ」


「そうなんだ…」


 落ち込むエルピオンにダンゲルは付け足すかのように伝える。


「この国の童歌と言えば、花道(おいせん)という童歌があるよ。だけど歌われるのは一番だけ…二番だけ絶対に歌われないんだ。一番は花魁とある男が恋をする話なんだよね…だけど二番は花魁がその恋をした男と足抜けするけど捕まってしまう話だよ」


「足抜け…」


 その言葉にエルピオンは先程出会った遊女たちのことを思い出し、彼女達の人生を頭に想像してしまう。

ここまで読んでくださりありがとうございます!

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