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学園七不思議  作者: シロ
第壱章 屋上に
3/10

屋上へ

メンバーが5人揃ったところで、屋上へ向かうことになった明日香たち。

その屋上で…

----屋上----

五人は屋上に足を踏み入れた。

夕方の西日が差し込んでいて、とてもいい景色だ。

学校近辺は住宅街であり、その先に駅が見える。


屋上には基本的に何もない。

体育祭や学園祭がある場合、大きな物資の置き場になることはあるが、今は5月で特に行事もないため何も置いていない。

「さあ、調べるぞー!」

「おー!!!」

明日香の掛け声に真木が乗る。

二人はやる気満々である。

何もないのにとりあえず隅から見ていくつもりらしい。

「調べなきゃ明日香と真木の気がすまなそうだな…、付き合うか…。」

東貴はやれやれと言いながら明日香と真木と一緒に調べ始めた。

豪はとりあえず真木と一緒に調べ始める。

レナは、調べている4人を見守りながら屋上の扉付近を調べている。

調べ始めて10分ほど経つが、何も見つからない。

あるのは屋上から落ちないように四方に張り巡らされたネットフェンスだけだ。

この学校の掃除担当のおじちゃんは屋上を毎回ピカピカにすると評判がすごい。


「うーん、何も見つからないね〜…」

「そもそも屋上に何が潜んでるんだ?幽霊?」

「ゆゆゆゆゆゆうれい!?やっぱり早く出ようぜ帰ろうぜ…」

「どんだけビビってるの!豪くんのせいで笑いそうになっちゃうよ!」


明日香が痺れを切らし、文句を垂れる。それに合わせて他のみんなも会話に参加していく。

その中で、真木がふと気づく。

「カラスの鳴き声聞こえなくなったね」

他四人はハッとする。

そう言えば、気づいたら静かになっている。

更に耳をすますと、カラスどころか自分たちの会話以外全く音がしていない。

「言われてみれば確かに…!これはもしかして心霊現象…?」

明日香はワクワクしながら言う。

「いやいやいやいや!たまたまでしょ!なななななんでもかんでも幽霊のせいにするのはよくないぞ!」

普段から幽霊のせいにしているのは自分だろと他のメンバー全員が心の中で思ったが口には出さなかった。

「真木ちゃん、ボイスレコーダーで録音してたよね!?何も聞こえなくなったタイミング聞いてみようよ!」

レナは提案する。

真木はなるほどと頷き、スマホを取り出す。

真木はスマホの画面を見て固まる。

「真木、どうしたんだ?」

東貴が真木に声かける。

真木は固まっているが、目が輝いている。

ニヤリとみんなを見たあと、スマホの画面を向ける。

その画面を見て同じくみんながギョッとする。

そして豪は気絶した。


スマホの時計は16時40分になっていた。


この屋上を調べるために入ったのは16時40分だったはずが、そこから時計が全く進んでいない。

この事実を目の当たりにしてから突然、屋上がどんよりと湿った空気になった気がした。

これはもしかしたら本当に…、メモが心霊現象を呼び寄せているのか…?

気絶している豪以外、全員同じことを考えていた。

緊張で全員固まっている中、真木が最初に動き出す。

スマホのボイスレコーダーを再生しようとする。

少し操作して、真木は残念そうな顔をする。

「時計が止まってるからか、ボイスレコーダーも屋上に入ってからの記録がない…。」

他の四人は真木のスマホを覗く。

確かに、真木がボイスレコーダーをオンにしてから数秒後に屋上に入っているため、オンのままだが、3秒ほどしか時間が進んでいない。

それどころか、ボイスレコーダーを停止することもできない。

真木は他のアプリが開けるかも試したが、全てローディング画面が出たまま動かない。


時 間 が 止 ま っ て い る ?


明日香はこの怪奇現象にワクワクが止まらないという顔をしている。

真木もなぜかのようなことが起きているのか興味津々である。

東貴とレナは流石に笑えなくなっていた。

「そこのチキン起こして、早いとこここを出た方が良くないか…?」

レナは賛成のようで、東貴の言葉に頷く。

しかし、明日香と真木はまだ何か発見があるかもしれないと残りたがる。

二人が残るのに先に逃げるのは男が廃ると思い、東貴は渋々残る。

「ねえ!今屋上の外と会話できるか知りたい!!!レナ先輩はちょっと扉から出て会話してみよ!?」

明日香はレナが少し怯えているのを見て、機転を利かせたのか、自分の好奇心のためにたまたま声かけたのかは不明だが、提案をした。

レナはなるほどと思い、承諾した。

扉の前にレナが立つ。

(なんかすっごく嫌な予感がする…)

そう思いながらレナはドアノブに手をかける。

予感通り、ドアノブは回らなかった。

レナは泣きそうになりながらみんなの方を振り向く。

明日香はそのレナが可愛いすぎて抱きしめてあげる。

レナは普段、とても大人な振る舞いをし、先輩としてみんなを導いたりもするが、実は怖いものは得意ではなかった。

なぜ開かないのか、真木が気付いてみんなに伝える。

「この屋上の時間が止まってるとしたら、ドアノブも回らないのは納得できる。多分誰かにこの扉を開けてもらわないとダメなんじゃないかな…?」

流石の明日香もギョッとする。

掃除の人は次の日の夕方15時半まで来ず、お昼休みは屋上は解放されていない。


と じ こ め ら れ た ?

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